罰金・科料・過料の違いとは!? 前科が付いてしまうのはどれ?

解説

交通違反の罰則に、“〜万円以下の罰金又は科料”と言う文言を見かけることがあるが、罰金との違いが気になる。

さらには、漢字違いの“過料”なるものも存在するらしいが、どのようなものなのだろうか。

スポンサーリンク

罰金

罰金とは、我が国に存在する刑罰の1つであり、対象となる人物から強制力を持って金銭を取り上げるものである。

本サイトでは交通規則について投稿することが多いのだが、道路交通法における罰則の中にも多く採用されていることはご存知の通りだ。

その額が“原則として1万円以上”と決められていることも覚えておきたいポイントである。

刑罰とは犯罪を犯したものに課せられる制裁であり、この罰金もそのうちの1つである以上、これを支払う当事者には前科が付くことになる

科料

続いては科料だが、こちら刑罰の1つであり、犯罪を犯した者の金銭を強制的に徴収するものである。

この点は罰金とよく似ているが、罰金の額が原則1万円以上であるのに対し、この科料の額は1000円以上1万円以下であることがポイントだ。

同じ財産刑であっても、その額の大きさが罰金との大きな違いと言えるだろう。

この科料は軽微な犯罪を犯した者に課せられるのだが、我が国で最も軽い刑罰であるとされている。

とは言え、刑罰である以上これを支払う者は犯罪を犯した者であり、前科が付くことを回避することはできない

ちなみに、我が国に存在する刑罰を重い順に並べると、死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料の順になるとされている。

過料

最後に過料だが、漢字違いの“科料”との違いが特に気になるところだ。

金銭を徴収する制裁と言う意味では罰金や科料に共通する部分があるが、それらとの最大の違いは、罰ではないことである。

よって、これを支払ったからといって犯罪を犯したことにはならないし、当事者に前科が付くこともないのだ。

専門的な話になるが、この過料には、秩序罰としての過料懲戒罰としての過料があることも理解して欲しい。

秩序罰として過料が課せられるのは、民事上の義務や行政上の義務、地方公共団体が定める条例や規律に違反した場合である。

転居や転入に伴う住民票の移動手続きを怠ったケースなどがその代表的な例だ。

一方の懲戒罰としての過料が課せられる事例だが、“裁判員制度における裁判員の出頭義務に違反した場合”などがこれに該当するらしい。

これを支払ったとしても犯罪者になるわけではないが、“過ちに対する料金”と書いて“過料”であることからも、当事者に何かしらの過失があることは事実だ。

よって、これを支払うことがないように努めることは当然のことだと思う。

終わりに

今回の投稿を通じて、様々な種類の金銭的制裁が存在することをお分かりいただけたと思う。

いずれにせよ、これらを支払うことがないよう、我々1人1人が行動に責任を持つことが大切なのだ。

コメント