雨の日は危険? スタッドレスタイヤを夏に使ってはいけない理由とは!?

雨の日のスタッドレスタイヤ

“交換するのが面倒”、“古くなったので履き潰す”などの理由で、夏場にもスタッドレスタイヤを使用する人もいるらしい。

確かに合理的にも思えるが、安全性など問題はないのだろうか。

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法律上は

はじめに、夏場、広く言えば冬場以外にスタッドレスタイヤを使用することが、法律上、全く問題ないことを確認しておきたい。

ノーマルタイヤで雪道を走行すれば交通違反になるのだが、そちらとは、少々事情が異なるようだ。

よって、夏場にもスタッドレスタイヤを使いたいと言う人は、自由に使用することが可能。

しかしながら、安易に考えるのは危険で、夏場のスタッドレスタイヤの使用には多くの問題点が存在するのだ。

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問題点

詳しくは後に述べるが、夏場の冬タイヤの使用には以下のようなデメリットがあると言われている。

夏場のスタッドレスタイヤ使用のデメリット
  • 滑りやすい(濡れた路面)
  • 制動距離が伸びる
  • 高速走行に向かない
  • ロードノイズの増大
  • 燃費の悪化

スリップ

スタッドレスタイヤはノーマルタイヤと比べゴムが柔らかく、路面との接地面積も少なくなる傾向にあるため、グリップ力に劣ると言われている。

更に、表面の溝も大きく、サイプと言われる多くの切り込みの存在により排水性能に難があることも事実。

よって、特に濡れた路面で滑りやすく、スリップする危険性が高くなってしまう。

後述するが、素材が柔らかいことは高速走行時の安定性にとっても好ましくないため、雨の日に高速道路を走行する時は特に注意が必要になる。

ハイドロプレーニング現象を起こしてしまう確率が高まるので、速度コントロールには最新の周囲を払わなければならないのだ。

制動距離

制動距離

グリップ力が弱い(乾燥路)と言うことは、制動距離が長くなることを意味する。

制動距離とはブレーキを踏んでから車が停止するまでの距離だが、これが長くなると言うことは、ブレーキ性能が悪化するに等しい。

制動距離を計測するためのブレーキング実験では、スタッドレスタイヤを装着した場合の制動距離が、ノーマルタイヤ装着時に比べ1.3倍にも及んでいるのだ。

さらに、路面が濡れた状態での制動距離は、ノーマルタイヤ装着時の約2倍と言う驚くべき結果に。

溝の減り具合や高温の影響(ゴムがさらに柔らかくなる)で距離がさらに伸びる可能性もあるだけに、非常に危険なことと言わざるを得ないだろう。

スタッドレスタイヤVSノーマルタイヤ ブレーキテスト

高速安定性

グリップ力が弱いため、高速走行には向かない。

直進安定性やコーナーでの安定感の低下が懸念されるが、特に真夏の高温でゴムが柔らかくなる場合には要注意だ。

先述の通り路面が濡れている場合は最悪の状況なので、速度を落とし、安全の確保を最優先する必要がある。

ノイズ

こちらは気にしなければそれまでのことだが、スタッドレスタイヤを装着することで、ロードノイズが増大するケースが多い。

それほどのこととも思えないが、一応覚えておくと良いと思う。

燃費の悪化

こちらも一般的に言われていることだが、スタッドレスタイヤを装着すると燃費が悪化することが多い。

とは言え、燃料代が2倍になるようなことはないので、それほど気にならないと言えばそうなのかもしれない。

いずれにせよ、安全性には関係しないことなので、重大性は低いだろう。

高温と劣化

高速安定性やグリップ力の不足、ハイドロプレーニング現象発生の危険性など、夏場のスタッドレスタイヤ使用には問題点も多い。

これに、タイヤの消耗と高温による影響が追い打ちをかける可能性がある。

タイヤの山が少なくなればなるほどグリップ力が低下することは言うまでもないが、高温によりゴムがさらに柔らかくなることも問題だ。

制動距離がより長くなることはもちろん、走行安定性が低下する可能性もある。

高温の影響が著しい場合は、タイヤが変形したり、バーストする確率が上昇することも覚えておいて欲しい。

終わりに

雪路では大きな力を発揮するスタッドレスタイヤだが、乾燥路や濡れた路面での性能は、ノーマルタイヤに劣る。

適切なタイミングでタイヤ交換をし、夏場の使用は避けるべきだと思う。

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