自動車を運転中に通行する機会が多いトンネルだが、その入り口に信号機が設置されるケースも少なくなく、状況次第で信号が黄色や赤を表示することをご存知だろうか。
今回は、このトンネル用信号の青、黄、赤のそれぞれの灯火が表す意味を解説する。
トンネル用信号機
その名の通り、“トンネル用信号”はトンネルの入口に設置される信号機のことを言う。
トンネル用信号は高速道路にあるトンネル 、一般道にあるトンネルのいずれにも設けられるが、特にその距離が長いトンネルに設置されるとも言われている。
また、このトンネル用信号機の特徴として、信号部分の下に“トンネル用信号”と記載されることも覚えておこう。
各色の意味
青
トンネル用信号の青色の灯火が表す意味はその他信号と同様で、“進んでもよい”である。
言うまでもなく、通常トンネル用信号機は青色を示しているので、普段通り周囲の安全に気を配りながら通行すればよい。
黄色(点滅)
トンネル用信号が黄色に点滅している場合は、トンネル内に何かしらの危険が存在していることを表している。
ここで言う“危険”の代表的なものはトンネル内での渋滞だが、雨や雪の影響でトンネル内部の路面が滑りやすい状態になると黄色い点滅を示すケースもあるようだ。
黄色の点滅信号の意味は“他の通行に注意して進むことができる”である(通常の黄色の灯火は原則止まれ)から信号の手前で停止する必要はないものの、青信号点灯時よりも注意力を高めて通行すべきと言える。
赤
トンネル用信号の赤い灯火は一般の信号機と同様に“進んではならない”を意味し、車両はトンネル内部に進入することができず、その直前で停止しなければならない。
赤信号を無視しトンネル内に進行する行為は立派な交通違反であり、道路交通法違反での検挙の対象となるが、そもそもトンネル用信号機が赤を表示するのはトンネルの内部で交通事故や火災が発生し車両の立ち入りに大きな危険を伴う場合である。
滅多に遭遇することではないだろうが、万が一トンネル用信号が赤く点灯していたら、速やかに車両を停止させ、絶対にトンネル内へ入らないようにしよう。
例外的なケースも
以上で解説したトンネル用信号とは少々性格が異なり、“例外的”とも言えるトンネル信号機も存在する。
その代表とも言えるのが福井県と滋賀県の県境にある“柳ヶ瀬トンネル”で、幅員が車1台分しかなく、交互通行を行うために入り口に信号機が設けられているのだ。
赤信号の待ち時間は何と6分30秒にも及ぶそうだが、交通の流れを円滑にすることを目的とする意味においては、一般的なトンネル用信号機よりも交差点に設置される普通の信号機に近い性格を持つと言えるかもしれない。
終わりに
今回はトンネル用信号の灯火について解説してきたが、各色が表す意味をご理解いただけただろうか。
トンネルへの進入時には赤はもちろん、内部の危険を知らせ注意を促す黄色の点滅の存在にも十分に気を配り、安全確認を徹底しよう。
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