昨年11月にスタッドレスタイヤのアイスアシンメトリコプラスをレビューしたばかりだが、今年は雪も少なく、例年よりも早くサマータイヤに交換した。
新たにミシュランのエナジーセイバープラスを購入したので、早速その性能をレビューする。
MICHELIN ENERGY SAVER +
ENERGY SAVER+(エナジーセイバープラス)はMICHELIN(ミシュラン)が製造するラジアルタイヤであり、同社のラインアップの中ではスタンダードモデルに位置する製品である。
タイプとしてはいわゆる“低燃費タイヤ”に該当すると思われるが、国内メーカーで言うとヨコハマのブルーアースAやダンロップのルマンVあたりがライバルになると言ってよいはずだ。
エントリーモデルでありながらも、世界のミシュラン製と言うことで日本メーカー製のタイヤよりも信頼できると言う人も多いらしく、セダンやSUV、コンパクトカー、軽自動車とジャンルを問わず多くの人々に利用されているタイヤである。
購入サイズ
先日レビューを行ったピレリのアイスアシンメトリコプラスと同様、今回も我がデミオを実験台にしたため185/65r/15のサイズを購入。
ちなみに、エナジーセイバープラスには全部で20種類のサイズが用意されている。
重量
エナジーセイバープラス(185/65r/15)の重量は7.2kg(メーカー公表値)。
DJデミオに標準装備されるブルーアースAよりも0.2kg軽く、先日まで装着していたスタッドレスのアイスアシンメトリコプラスと比較すると1.6kgも軽い。
重量の比較(185/65r/15)エナジーセイバープラス | 7.2kg |
ブルーアースA(AE50) | 7.4kg |
アイスアシンメトリコプラス | 8.8kg |
製造過程で若干の誤差が生じるのか、実際に重さを計量してみるとちょうど7.0kgのものもあったが、この軽さはエナジーセイバープラスの大きな特徴であり、魅力でもある。
価格
今回はYahooショッピングを利用したが、購入価格は34,000円。
多額のポイント還元を受けられるショップを選択したため、支払い金額自体はやや高めだった(2万円代後半の価格で販売している店舗もある)。
開催中のキャンペーンの恩恵を受けたこともあり約7,000ポイントが付与されたが、実質27,000円で購入できた計算だ。
使用した印象
直進性
直進安定性が高く、何ら不安を感じることなく運転することができる。
ステアリングは重く手応えも十分で、走行速度が上がれば上がるほどタイヤが安定し、直進安定性が高まる印象だ(ステアリングの重さについては後述)。
純正のブルーアースAもかなり直進性が良かったが、エナジーセイバープラスはさらに磨きがかかった印象で、高速道路を100km/hで走行する程度なら全く不安を覚えることはない。
重量が7.2kgと非常に軽く、先日まで使用していたスタッドレスのアイスアシンメトリコプラスよりも1本あたり1.6kgも軽いため相当軽快な走りになるものと思っていたところ実際はその様なことはなく、重厚感のある乗り味が安心感を与えてくれる点も好印象である。
ハンドリング
ウェブ上での評価を見るとエナジーセイバープラスはハンドリングが軽いと言う声が多く、私もそれを信じていたのだが、意外にも“軽い”と言う印象は全くなく、ブルーアースと同じくらいの重さが確保されている。
ステアリングの重さは走行時の安心感と重厚な乗り味の演出に大きく貢献しているが、ブルーアースA の特徴とも言えるハンドリングの“ダルさ”がなく、より洗練された感覚を覚える。
ステアリング操作に対する反応がマイルドだったブルーアースAに対し、エナジーセイバープラスはより素直に反応するようで、同じ感覚でステアリングを切っても内に切れ込んで行く印象が強い。
ハンドリングに対しあまり機敏に車が反応しない方がよいと考える方にとってはデメリットとなる可能性を否定できないものの、ワインディング走行時などコーナーを攻めるようなシュチエーションでは、そのコーナーリング性能の高さを発揮してくれるはずだ。
制動力
単に慣れていないだけかもしれないが、ブレーキの踏み込みに対する制動力はブルーアースよりわずかに劣る印象を受ける(アイスアシンメトリコプラスとは同等くらい)。
転がり抵抗が少なくタイヤがよく転がることを実感する一方で、以前と同じ感覚でブレーキペダルを踏むと停止距離がわずかに伸びるように感じられる。
もちろん、実際に運転に支障が生じるほどの問題ではないし、時間の経過とともに全く気にならなくなると思えるレベルの話なので過度な心配は無用だ。
また、排水溝の太さを見る限り、ウェット路面での制動力や安定性は非常に高いものと思われる。
静粛性
ネット上では“エナジーセイバープラスはうるさい”と言う評価を多く見かけるが、実際に使用した印象としては“普通”と言ったところだろうか。
ロードノイズを意識して運転すると、ブルーアースエースやアイスアシンメトリコプラス装着時よりも確かに“ザーッ”と言う雑音が大きいように感じられ、高速道路走行時にはそれが一段と顕著になる。
とは言えどうしようもなく苦痛と言うわけではないし、初期型のデミオはエンジン音も元気で、そこまで静粛性にこだわる車ではないこともあり、大きなデメリットと考える必要はないと言うのが個人的な意見だ。
ただし、高速道路を長時間運転する機会が多い等の理由で静粛性の高さを求める方が不満を感じる可能性を否定できないので、心配な場合は“ミシュランの全額返金保証プログラム”を利用されるのもよいと思う。
乗り心地
リジカラを装着していることもあり乗り心地は総じてシャープな印象だが、ブルーアースA装着時よりもわずかに硬いと言ったところだろうか。
それでもアイスアシンメトリコプラスと比較するとだいぶ柔らかく、段差を乗り越えた時には路面からの衝撃がかなりマイルドになった事を実感する。
全体的に引き締まった乗り心地であり、どちらかと言えばコーナーリングや高速走行時の車体安定性を優先しながらも、十分な快適性が確保される程度にショックを和らげてくれるが、今のところ乗り心地に不満を感じることは全くない。
なお、これがミシュランタイヤの特徴なのか、エナジーセイバープラスはトレッド面のゴムがかなり硬いがサイドウォールは非常に柔らかく、組み込みを担当したショップのスタッフが驚いていたほどである。
恐らく、このサイドウォールの柔らかさを持って路面からの衝撃を緩和しているのだろう。
燃費
1度しかテストしていない段階ではあるが、ブルーアースAと同等の燃費性能を持つと思われる。
このエナジーセイバープラスは転がり抵抗の少なさが評価されることが多く、実際に運転してみてもその通りでタイヤがよく転がることを実感する。
また、前述の通り軽快さを強く感じることはないが、重量の軽さが確実に燃費に影響するらしく、やたら重いアイスアシンメトリコプラス装着時よりも1~2km/L燃費が向上するようだ。
まとめ
今回、デミオにエナジーセイバープラスを装着してみて、非常にバランスの良いタイヤであることを強く実感する結果となった。
重量の軽さの割に特に軽快な走りが実現するわけでもなく、これと言って高級感を感じるわけでもないが、全方面において大きな欠点がなく、どんな車に装着してもあらゆるシュチエーションで一定以上の性能を発揮するオールラウンダーと表現するのがよいだろうか。
悪く言えば何の特徴もないつまらないタイヤとも言えてしまうのだが、迷ったらミシュランを買っておけばまず失敗はないと言われる通りの出来であり、ライバルとなり得る国産メーカー製のタイヤと比較して安価なことを考慮しても、エナジーセイバープラスはコストパフォーマンスに優れる優秀なタイヤであると言えるだろう。
終わりに
いかがだっただろうか。
本投稿を読みエナジーセイバープラスに興味をお持ちの方には実際に購入され、その性能を実感していただきたいと思うところである。
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