真夏の猛暑時の運転では、誰もがA/Cスイッチを入れて冷房を効かせていると思うが、暖房時はいかがだろうか。
今回は、車の暖房とこのA/Cの関係について投稿するので、ぜひ最後までお読みいただきたいと思う。
A/Cの役割
はじめに、車の空調“A/C”の概要、役割を確認しておきたい。
A/Cとは“Air Conditioner”の略称であり、一般に言うところの“エアコン”に該当するものだが、車のエアコンと家庭用のエアコンでは少々仕組みが異なる。
意外にも、車のA/Cは暖房機能を有しておらず、①冷房と②除湿の2つがその役割なのだ。
A/Cのスイッチをオンにするとコンプレッサーが稼働し、車内の熱を回収した冷媒(エアコンガス)を圧縮してそれをコンデンサーへ送る。
そこで外気中に熱を放出した後、エバポレーターと言う機械により冷媒が気化されるが、その際に周囲の空気が冷やされ、その冷たい空気が車内に送られる仕組みだ。
同時に、冷えたエバポレーターに空気中の水分が付着することで除湿効果を得ることができる点も押さえておきたいポイントである。
暖房との関係
既に述べた通り、車のエアコンは暖房機能を持たない。
では、どのようにして車内を暖房するのかと言えば、他でもなくエンジンの熱を回収し利用しているのだ。
よって、燃費の悪化を心配する必要は皆無だし、A/Cスイッチをオンにすることなく暖かい風を得ることができる。
ただし、A/Cの出番が全く無いかと言われれば、必ずしもそうではない。
エアコンが除湿機能をも有していることを思い出していただきたいが、湿度により窓ガラスが曇った場合、A/Cスイッチをオンにすることでこれを取り除くことができるからだ。
冬場は車内と車外の温度差が激しく、空気の流れを内気循環にした場合などは特に曇りやすいため、エアコンによる除湿機能は非常に大きな意味を持つと言える。
安全運転のためにも、積極的に利用したいところだ。
なお、指定する送風の温度が暖房の領域(22~23℃以上)であれば、A/Cスイッチを入れても冷たい風が出ることはないものの、A/Cオフの時よりも若干送風の温度が低下するらしい。
燃費への影響
暖房時であっても、A/Cスイッチをオンにすればコンプレッサーが稼働する。
コンプレッサーを稼働させるにはエンジンの出力が必要なので、普段よりもエンジンの仕事量が増え、結果として燃費が悪化するのは当然のこと。
よって、窓が曇るなど特別の事情がない限り、A/Cのスイッチをオフにしておくのが望ましいと言える。
もちろん、ガラスの曇りが激しく安全運転に支障を生じる可能性がある場合には、速やかにA/Cスイッチを押し、曇りを除去しなければならない。
終わりに
車の空調システムの“A/C”の役割と、暖房との関係をご理解いただけただろうか。
暖房使用時にも、A/C(エアコン)が”窓ガラスの曇り除去装置”として重要な役割を担うことを覚えておいていただきたいと思う。
コメント
外国車は、エアコンコンプレッサが弱いため、冬でもA/C稼働させたほうが良いと聞いたことがあります。