アテンザXD(ディーゼル)に試乗! 乗り心地と燃費が高評価!

アテンザ

今回は、マイナーチェンジしたマツダ・アテンザへの試乗の内容をレポートする。

前期型では、搭載されるエンジン“SKYACTIVE-D 2.2”の圧倒的なトルクによる走りが評価される一方で乗り心地が悪いという声も多かったが、今回は果たして・・・。

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試乗車

今回のアテンザには、ディーゼルモデルとガソリンモデルが用意されているが、ガソリンエンジンの排気量はさらに2.0Lと2.5Lに分けられる。

これに加えて、ボディタイプもセダンとワゴンの2種類が用意されているので、同じアテンザと言っても様々な選択肢があるのは嬉しいところだ。

以下に各グレードとその価格をまとめたものを用意したが、セダン、ワゴンともに価格は共通である。

原動機グレード価格(円)
ガソリンSKYACTIVE-G 2.020s  2,764,800
20s PROACTIVE  2,867,400
SKYACTIVE-G 2.525s L package  3,331,800
ディーゼルSKYACTIVE-D 2.2XD2WDMT3,229,200
AT3,175,200
4WDMT3,456,000
AT3,402,000
XD PROACTIVE2WDMT3,331,800
AT3,277,800
4WDMT3,558,600
AT3,504,600
XD L package2WDMT3,742,200
AT3,742,200
4WDMT3,969,000
AT3,969,000

今回試乗したのは、ディーゼルモデルである、XD L Package、2WD、ATモデルである。

ディーゼルモデルはガソリンモデルよりもかなり高額になるのだが、その中でも最上位グレードと言うことで、価格も3,742,200円とかなりの額だ。

この額になるとすでに“大衆車”ではないような気がするのだが、やはり搭載される機能や装備には目を見張るものがある。

ホワイトカラーのレザーシート、電動パワーシート、BOSEサウンドシステムといずれも魅力的なものばかりで、乗り込んですぐにその質の高さが伝わってきた。

走り

エンジン

SKYACTIVE-D 2.2

搭載される2.2リッターディーゼルエンジンは、アクセラXDに搭載されるものと同じであるが、やはりその性能には驚かされる。

最大420N・m”と言う圧倒的なトルクによる加速はまさに衝撃的で、ガソリン車ではなかなか体感することができないものだ。

アクセルペダルに軽く足を乗せているだけでも面白いように速度が上がり、あっという間に最高速度に達してしまう。

少し強めにペダルを踏み込んでしまうと一気に70~80km/hあたりまで速度が出てしまうので、一般道では注意が必要なほどだ。

高速道路での合流はもちろんのこと、減速後の再加速や上り勾配と言った場面では、そのトルクの太さがさらに際立つ。

また、圧倒的な加速力に違いはないが、アクセラXDよりも、そのフィーリングが上質であるような印象を受けた。

具体的に言えば、アクセラXDに感じる、”荒っぽさ”を感じることが少ないのだ。

上質さを損なうことなく、圧倒的な加速を実現しているあたりは、さすがはマツダのフラグシップモデルであると感心させられる。

安定感

アテンザ 運転席

やはり車体の安定感は素晴らしい。

アテンザの車両重量は1,530kgで、私の所有するトヨタSAIよりも約60kg軽いのだが、車体の安定感はより優れているように感じた。

ホイールベースが長いと言うこともあるのだろうが、足回りも非常にしっかりしている。

アクセラXD同様、“重厚感”を強く感じることはないのだが、ボディや足回りを含めて剛性がしっかりしていることが伝わってきた。

静粛性

ディーゼルエンジンにとって最大の敵となるのがそのエンジンノイズであるが、このアテンザについては、十分な対策がなされていると言えるだろう。

同じエンジンを搭載しているアクセラXDよりも、明らかに静かだ。

アクセラの場合は、ガラガラとしたエンジン音が耳に入ることもあり少々上質さに欠ける印象を否定できないのだが、このアテンザはその辺りのノイズが上手く抑えられている。

やはり、遮音材や吸音材の使用をはじめとする防音対策が入念に行われているのだろう。

アイドリング時や走り出しにはわずかなエンジン音が耳に入るが、アクセラやデミオ・ディーゼルモデルと比べれば明らかに小さいものだ。

同時に、そのサウンドは良い意味でディーゼルらしからぬものであり、車に詳しくない人であればガソリン車と勘違いしてしまうレベルだと思う。

乗り心地

アテンザ

最も驚かされたのがこの乗り心地だが、マイナーチェンジ前と比べ確実によくなっている

と言うのも、前期型のアテンザは、“足回りが硬い”、“乗り心地が悪い”と言う評価が多く、これがマツダ車全体の課題であるかのように批判されてきた経緯があるのだ。

しかしながら、試乗してみると全くそのようなことはなかった。

これらの批判については、マツダとしても十分に把握していたようで、マイナーチェンジでの要改善点として適切な対策がなされたものと思われる。

装着タイヤが19インチであったにも関わらず、大きな衝撃が伝わって来ることも全くなかったし、運転している限りでは非常に快適に感じられた。

確かに、トヨタのセダンのような柔らかい印象はないが、足回りがしなやかに動き、路面からの衝撃にうまく対処できているような印象を受ける。

今回は後席に試乗することはできなかったが、そちらの乗り心地についても大きな不満が出るとは考え難い。

もしも、“乗り心地が悪い”という理由で、アテンザを敬遠されている方がいたとすれば、是非とも一度試乗していただきたいと思う。

燃費

アテンザの各モデルごとの燃費は以下の通り。

原動機グレード燃費(km/L)
ガソリンSKYACTIVE-G 2.020s  17.4
20s PROACTIVE  17.4
SKYACTIVE-G 2.525s L package  16.0
ディーゼルSKYACTIVE-D 2.2XD2WDMT22.4
AT20.0
4WDMT20.4
AT18.2
XD PROACTIVE2WDMT22.4
AT20.0
4WDMT20.4
AT18.2
XD L package2WDMT22.4
AT20.0
4WDMT20.4
AT18.2

ディーゼルモデルの燃費が特に良いことがわかるが、このサイズの車で20km/Lを超える数値を記録しているのだから非常に優秀である。

さらに驚くべきことは“実燃費”で、今回の試乗では、“16.1km/L”を記録した。

数字が伸びない試乗コースでこの数値ということは、郊外の走行や、遠出をすればさらに燃費が伸びることが予想される。

遠出の際の燃費が18km/Lを超えたと言う声も聞くが、これは、メーカー公表値の90%”に当たる数字であることに注目して欲しい。

特に燃費の良さを売りにしているハイブリッド車ほど、メーカー発表値と実燃費の間に大きな差が生じてしまうケースがあるが、このアテンザにはそのような心配は不要だろう。

デザイン

エクステリア

アテンザ

アテンザ

アテンザ

鼓動デザインを象徴するデザインであるが、非常に洗練されたデザインだと思う。

セダン、ワゴン共に申し分のない出来だ。

特に、スノーフレーイクホワイトパールマイカ”については、高級感すら感じることができる素晴らしい仕上がりになっている。

インテリア

アテンザ内装

アテンザ 内装

アテンザ 内装

やはり内装の質感も高い。

画像のモデルはシートカラーがブラックだが、最上級モデルのL packageになるとホワイトレザーを選択することも可能。

このホワイトシートは、ブラックカラーに比べ、明らかに1ランク上の上質な印象を与えてくれる。

実用性

アテンザ後席

アテンザ ラゲッジ

抜群に広いとは言えないが、後席膝前のスペースも十分だし、頭上が狭いと言う印象もない。

ラゲッジの容量は、ワゴンが506L”でセダンが474L”と、ともに広大なスペースが確保されている。

特にワゴンについては、後席を前に倒すことでさらに広大なスペースが生まれるが、キャンプや観光など、大人数で出かける場合には非常に便利だと思う。

一方、セダンのトランクスペースもとても広く、トランクスルーも可能になっている。

ハイブリッド車のように、バッテリーにより荷室のスペースが削られることがないのが嬉しいところだ。

終わりに

乗り心地の飛躍的な向上には驚かされたが、マツダ車が、何よりも”走りのよさ”を追求していることを忘れてはならない。

このアテンザについても、ドライバーにとって、最高のドライブを楽しむことができるような素晴らしい車だ。

少しでも購入を検討されている方には、是非ともお近くのディーラーで試乗して欲しいと思うところである。

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