久しぶりにMT(マニュアル)車を運転した時、駐車時のギアをどこに入れたらよいのか迷ってしまった経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。
普通に考えれば1速かバックに入れるのが無難と思われるが、正しい方法は…?
はじめに
MT(マニュアル車)を駐車する場合に使用するギアについては様々な意見が存在するようだが、以下に列挙した5つのパターンがその代表とされる。
- ロー(1速) + サイドブレーキ
- バック + サイドブレーキ
- ニュートラル + サイドブレーキ
- バック + サイドブレーキなし
- ロー(1速) + サイドブレーキなし
中には4と5のようにサイドブレーキを引かないと言う意見もあるものの、さすがにこれは危険なのでは…。
適切なギアは
ここで結論を言えば、平地と下り坂においてはバック、上り坂ではロー(1速)がMT車を駐車する場合の正しいギアの位置である。
重力により下り坂では車を前進させる力が、上り坂では車を後退させる力が働くが、こうすることでギアが反対方向へ車を進めようとするため、誤発進を防止する効果が高まるのだ。
ちなみに、これを“ギアロック”と呼ぶ。
なお、平地ならば1速とバックのどちらのギアを選択してもよいのではと思われる方も多いと思うが、あえてバックギアを使用する理由はバックギアが発生させるトルクがローギアよりも弱く、仮に急発進してしまった場合のリスクが僅かながらも低下すると考えられていることにある。
ニュートラルは厳禁
駐車時にギアをN(ニュートラル)に入れるのが正しいと考える方も少なくないようだが、これは非常に危険な方法なので絶対に行ってはならない。
いずれのギアも噛み合わない状態がニュートラルであり、ギアロックの力が全く働かないことが最大の理由である。
サイドブレーキを併用すれば大丈夫であるようにも思えるが、サイドブレーキの制動力は決して強いものではなく、これを解除し忘れたまましばらく走行してしまった経験をお持ちの方も少なくないはずだ。
傾斜がきつい場所に駐車する場合など、サイドブレーキを引いたとしても車が動き出す可能性があることを理解し、N(ニュートラル)の使用を避けるようにしよう。
もちろん、ローまたはバックギアを使用した上でサイドブレーキを引くのであれば事情は全く異なるが、サイドブレーキとギアロックが互いの力を補完し合うことで強力な制動力を発生させることが可能であり、理想的とも言える方法である。
終わりに
現在ではMT車を運転する機会そのものが少ないとは言え、正しい駐車方法をしっかり理解しておくに越したことはない。
適切なギアを選択し、駐車中に車が動くことがないように努めよう。
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