コンビニの駐車場などでエンジンをかけたまま駐車してある車を見かけることがあるのだが、どうやらドライバーは店内で買い物をしているようだ。
盗難に遭うことを心配してしまうが、これが交通違反でもあることをご存知だろうか。
盗難の危険性
当たり前のことではあるが、エンジンをかけたままでは外部からドアをロックすることができないことが多く、車両の盗難に遭う危険性が高い。
ご存知の通りの物騒な世の中であるから、どれほど短い時間であっても確実にエンジンを停止させ、施錠してから車を離れなければならないのだ。
また、盗難車が犯罪に用いられるケースも少なくないため、2次犯罪防止の観点からも運転者の正しい対応が求められると言える。
誤作動
最近の自動車の品質の向上が著しいとは言え、エンジンが動いている以上、誤発進の可能性を否定することはできない。
万が一急発進でもすれば大惨事に発展することも十分に考えられるだけに、確実にエンジンを停止してから車を離れるようにしよう。
停止措置義務違反
盗難や誤発進の恐れがあるだけではなく、エンジンをかけたまま車を離れる行為は立派な交通違反である。
その根拠は“道路交通法第71条”にあるが、その条文を載せたのでご覧いただきたい。
(運転者の遵守事項)
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らねばならない。
(第1~第4号省略)
5 車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。
5の2 自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。
道路交通法第71条より
運転者が車を離れる場合にその原動機(エンジン)を停止させる必要があることをご理解いただけると思うが、同時に自分の車を他人に無断で運転されることがないよう必要な措置をとらねばならないこと、すなわち運転者がドアの施錠義務を負うことも規定されている。
エンジンのかけたまま車両を離れる行為はもちろんのこと、ドアロックをせず車を離れることも立派な交通違反なのだ。
反則行為名は“停止措置義務違反”であるが、仮にエンジンを停止させず車を離れ盗難に遭ったとなれば、車を盗まれた上に交通違反に問われると言う最悪な結末になりかねないことを覚えておきたいところである。
反則行為 | 行政処分 | 刑事処分 | ||||
点数 | 反則金(円) | 罰則 | ||||
大型 | 普通 | 2輪 | 原付 | |||
停止措置義務違反 | 1点 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 5,000 | 5万円以下の罰金 |
駐車場と道路交通法
仮にエンジンをかけたまま車を離れることがあったとしてもそれは駐車場での出来事に限定されるため、道路交通法が適用されず交通違反に問われることはないとお考えの方も多いと思うが、必ずしもそうとは限らないことを確認しておきたい。
詳細はリンク先のページをお読みいただきたいが、ショッピング施設の駐車場のように不特定多数が自由に通行できる場所が道路とみなされることもあるのだ。
よって、例えばコンビニの駐車場に車を停め、エンジンを切らずに車を離れ買い物をするなどした場合には、やはり停止措置義務違反に問われる可能性があることをご理解いただきたいと思う。
終わりに
今回の投稿では、エンジンをかけたまま車を離れてはならない理由を述べてきた。
危険極まりないことはもちろんだが、それが立派な交通違反であることを認識し、車を離れる時は必ずエンジンを停止させ、確実に施錠をするよう心掛けたいところである。
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