いよいよ冬も終わり春が訪れようとしているこの季節は花粉や黄砂が飛散する時期でもあり、何かと悩ましい思いをされる方も多いのではないだろうか。
車もその例外ではなく、場合によっては塗装がダメージを受けてしまうケースもあるのだが、今回はボディに付着した花粉や黄砂の正しい落とし方をご紹介する。
シミになる危険性
車のボディに付着した花粉や黄砂を放置するとボディにシミができてしまい、最悪の場合取り除くことが困難になってしまう可能性もあるため、的確に対処しなければならない。
一言で“シミ”と言っても付着するのが花粉の場合と黄砂の場合とでは車への影響が異なるが、以下で詳細を解説する。
花粉染み
車に付着した花粉はボディを侵食し続け、ひどい場合には何と塗装のクリア面の下にまで達してしまうケースも…。
こうなると完全なシミ(花粉染み)になってしまい、いくら洗車をしても完全に除去することは非常に困難だが、ボディに付着した花粉を放置してはいけない最大の理由もここにある。
この最悪の事態を回避するためにも、花粉が多く飛散する季節(3~5月)には定期的に洗車を行い、ボディに付着した花粉を除去する必要があるのだ。
雨は要注意
花粉が付着した状態で車が雨に打たれると一段と厄介なことになるが、花粉が水分を得ることで内部にある“ペクチン”と言う物質が滲出する。
これこそが除去できない花粉染みの正体であり、放置すれば塗装が致命的なダメージを受け、悲惨な状態に…
このような状況を防ぐにはこまめに洗車を行うことが望ましいが、乾いたスポンジでボディを拭いたり単にバケツで水を掛けたりするとボディを傷付ける、あるいはペクチンの滲出を助長することになるので注意が必要である。
よって中途半端なことをするのではなく、定期的にしっかりと洗車するようにしよう。
黄砂の影響
3~6月にかけて東アジアから黄砂が飛来するが、おかげで洗車したばかりのボディがザラザラする状況を経験された方も少なくないはず。
単にザラつくだけならいざ知らず、この黄砂にはシリカやカルシウム等のミネラルが含まれており、それらの成分がボディに悪影響を与えてしまうと言うのだから困ったものである。
カルシウムは水道水にも含まれ、洗車後の拭き取り作業をいい加減にするとその成分がボディに残り白い斑点になってしまう現象(イオンデポジット)は有名だが、黄砂が付着した状態で車が雨に打たれたともなればボディの上でカルシウムたっぷりのミネラル水が誕生し、そのまま放置すると…。
近年の自動車の塗装技術の向上が目覚ましいとは言え、塗装がタメージを受けることは想像に難くなく、絶対に避けたい状況と言える。
正しい洗車方法
自動車のボディに付着した花粉や黄砂を除去するには何よりも洗車が効果的だが、可能であれば高圧洗浄機を使うのが望ましい。
その他特別のことは一切ないが、以下で手順を解説する。
高圧洗浄機で汚れを落とす
まずは高圧洗浄機でボディに付着した花粉や黄砂などの汚れを落としていく。
最近では家庭用の高圧洗浄機と言えども優秀な製品が多く、この作業だけで汚れのほとんどを除去することも可能だが、汚れが付着したままスポンジ掛けを行うとボディに傷を付けてしまう恐れがあるので、非常に重要な行程である。
スポンジ掛け
次にボディに残っている目に見えない汚れを落とすため、カーシャンプーを使ってスポンジがけを行う。
ボディにコーティングが施されている場合、汚れがそれほどでもなく高圧洗浄を終えた時点で全体が綺麗な場合はシャンプーなしでも問題ないが、ボディを痛めることがないよう、使用するスポンジの素材には細心の注意を払いたいところである。
濯ぎ作業にも高圧洗浄機を使えば時間を短縮することができるので、なおさら良い。
拭き上げ
最後に専用クロスを使ってボディ全体を拭き上げたら作業終了。
特段難しいことは一切ないものの、ボディに水分が残ると再び飛来する花粉が付着した場合に厄介なことになるし、ウォータースポット等のリスクもあるので注意が必要だ。
終わりに
今回は車のボディに付着した花粉や黄砂の落とし方をご紹介したが、“たかが花粉”と甘く考えると後々大変な思いをすることになりかねないので、適切に対処したいところである。
花粉と黄砂が多く飛散する春先から初夏には定期的に洗車を行い、大切な愛車を綺麗な状態にキープできるように心掛けよう。
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