皆さんご存知の通り、信号機ごとに、あるいは進行方向ごとに青信号の長さが異なる場合があるが、これにはどのような理由があるのだろうか。
今回は信号機のサイクルと青信号の長さについて投稿するので、是非最後までお読みいただきたいと思う。
現示の調整
信号が表示される時間間隔を“現示”と呼ぶ。
一般人にとってはあまり、と言うかほとんど耳にすることがない言葉であり、完全な専門用語とも言えるが、信号が切り替わるサイクルのことと考えればよいと思う。
この現示の調整は各都道府県警察によって行われ、信号機に何パターンかの周期を記録させ、曜日や時間ごとに最適なものが選択される仕組みになっている(定周期式信号機)。
さらに、各都道府県警察に設けられる“交通管制センター”により、交通の状況に応じて現示のコントロールが行われる場合もあるが、巡回する警察車両や車両感知器、カメラなどを通じてリアルタイムの交通状況を入手し、信号機の動きに反映させているのだ。
よって、曜日や時間帯ごとに交通の流れが変化する場所にある信号機については、状況に合わせて青信号の長さが頻繁に変わることも珍しくないのである。
長さの決定
既に答えを述べたかもしれないが、青信号の長さは現地の交通量によって決定される。
交差する双方向ともに長さが同じ場合もあればそうでない場合もあり、後者においては交通量が多い方の道路の青信号の時間が長くなることは言うまでもない。
具体的な要素としては、直進、左折、右折車の数や大型車の通行量が関係すると言われているが、“感応式信号機”により、原則として交通量が多い側の道路の信号を青にすることで、その交通を妨げないようにしている交差点があることも覚えておきたいところだ。
ちなみに、歩行者用の青信号が点滅する時間は横断する道路の幅によって決定されるらしく、例えば横断距離が10mの交差点における点滅時間が10秒だとすれば、20mの場合は20秒になると考えてよいだろう。
不正な操作
まずはあり得ないことと思うが、一般人が信号機を操作することは“道路交通法第115条”において禁止されている。
みだりに信号機を操作し、若しくは公安委員会が設置した道路標識若しくは道路標示を移転し、又は信号機若しくは公安委員会が設置した道路標識若しくは道路表示を破壊して道路における交通の危険を生じさせた者は、5年以下の懲役又は20万円罰金に処する。
道路交通法第115条より
仮に不正に信号機を操作した場合は“5年以下の懲役又は20万円以下の罰金”と言う厳しい罰則を受けることになるが、事の重大性、悪質性を考えれば酌量の余地はない。
多くの車両が通行する交差点において、不正に信号機が操作されることは危険極まりないことであり、この程度の罰則が設けられることは極めて妥当であるはずだ。
クレームの発生
滅多にあることではないが、信号の時間間隔が明らかにおかしい信号機も存在する。
具体的には青信号の長さが短過ぎるパターンがほとんどであるが、車両が1台通過したと思うとすぐに赤に変わてしまうと言うのだから困ったもの…。
当該道路の交通量が少ないとの判断によるものと思われるが、交通事故の原因になる可能性も否定できず、現に2017年4月、2016年8月に滋賀県大津市内の交差点で起こった事故が信号機の周期に起因するとして県が事故の当事者に損害賠償を支払う意向であることが報じられたばかりである。
信号機の故障も考えられるため、“青信号の時間が短過ぎる”、“周期がおかしい”などの異常が見られた場合は、迅速に各都道府県公安委員会にご連絡いただきたいと思う。
終わりに
信号の間隔と青信号の長さの関係をご理解いただけただろうか。
複雑なシステムの制御によってサイクルが決定されることには驚かされるが、交差点通行時には確実に信号に従うことを心掛けよう。
コメント