各キャラクターの衣装を身にまとい、ゴーカートに乗り込みゲームさながらに公道を走行する“マリカー”がブームになっているようだが、今回はその法的根拠について投稿する。
そもそもゴーカートでの公道走行は合法なのだろうか…
法的根拠
一般的なゴーカートは“ミニカー”として扱われるが、これは立派な車両であり、自動車登録がされていればナンバーも付いているため、公道を走行することに違法性は全くない。
ちなみに、道路交通法施行細則に規定されるミニカーとは、“0.05L以下又は定格出力0.60kW以下の原動機を有する普通自動車”のことを言う。
少々話が複雑なのだが、車検や車両への座席ベルトの設置等を規定する“道路運送車両法”においてはミニカーが原動機付自転車として扱われるため、走行中のシートベルト着用や車検審査は不要である。
通行方法
免許
道路交通法において普通自動車に分類される以上、ゴーカート(ミニカー)を運転するためには普通自動車免許以上の免許が必要である。
ミニカー登録された3輪のバイクにも同じことが言えるが、原付免許で運転することはできず、一歩間違えれば無免許運転になりかねないので注意が必要だ。

ちなみに、普通免許であればAT限定でも問題ない。
ヘルメット
道路交通法上はあくまでも普通自動車として扱われることから、ミニカーはヘルメットの着用なしに運転することができる。
とは言え、その構造上事故が起きた場合に容易に全身が投げ出されてしまう蓋然性が高いことを考えれば、しっかりヘルメットを着用しておくのが望ましいだろう。
最高速度
普通自動車に分類されるため(道路交通法)、原付のように30km/hの速度制限を受けることもなく、一般道における法定最高速度はその他一般車両と同じ60km/hであるが、道路標識等による速度指定が行われている場合は当然ながらそれに従わなければならない。
なお、高速道路や自動車専用道路の通行は不可能である。

問題点
ゲームのマリオカートさながらに実際にゴーカートに乗り込んで公道を走行する“マリカー”がブームになっているが、事故の多発が問題になっている。
その背景には、ゴーカート特有の車高の低さにより一般車両にとって彼らの発見が困難であることや、ゲーム同様のスリルを追求しようとするカートの運転者の通行マナーの悪さがあるとも言われおり、看過できない悩ましい問題だ。
その構造上事故が起きた時にゴーカートの運転者が受けるダメージは大きく、一歩間違えれば大惨事に発展する確率が高いだけに対策が急務であることも事実であるが、何よりも彼ら自身に安全運転を実践してもらいたいと強く思うところである。
終わりに
ゴーカートでの公道走行の違法性の有無と通行方法をご理解いただけただろうか。
特にマリオカートについては交通事故に発展するケースも多く悩ましい限りであるが、実際に運転する場合は交通ルールを厳守して安全運転に努めよう。
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