バイクを運転するにあたりヘルメットの着用義務があることは誰もが知るところだと思うが、意外にもノーヘルで乗れるバイクがあるらしい。
その正体が気になり早速調べてみたので、その結果を投稿する。
はじめに
はじめにバイクを運転する場合のヘルメットの着用義務について確認しておきたいが、皆さんご存知の通り、ヘルメットの着用なしで2輪車、原動機付自転車を運転する行為は交通違反である。
以下にその根拠となる“道路交通法第71条の4第1項、同条第2項”の条文を載せたので、ご確認いただきたい。
(大型自動2輪車等の運転者の遵守事項)
1 大型自動2輪車又は普通自動2輪車の運転者は、乗用用ヘルメットをかぶらないで大型自動2輪車若しくは普通自動2輪車を運転し、又はヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動2輪車若しくは普通自動2輪車を運転してはならない。
2 原動機付自転車の運転者は、乗用用ヘルメットをかぶらないで原動機付き自転車を運転してはならない。
(道路交通法第71条の4より)
ご覧の通り、運転者はもちろんのこと、ヘルメットを着用しない者を同乗させることも禁止されているので、十分に注意が必要である。
これらの規定に違反した場合は“乗用用ヘルメット装着義務違反”に問われるが、罰則については下の表を参照願いたい。
反則行為 | 行政処分 | 刑事処分 | |
点数 | 反則金(円) | 罰則 | |
乗用用ヘルメット着用義務違反 | 1点 | なし | なし |
3輪車とヘルメット
いよいよここから本題に入りたいが、結論を言えば、3輪のバイクだからヘルメットを装着せずに運転できるわけではない。
ヘルメットなしで運転できるのは“ミニカー”として扱われる3輪車であり、その基準を満たさない3輪車を運転する場合は、2輪車や原付同様にヘルメットの着用が義務付けられるのだ。
ミニカーの定義は下の表にある通りだが、そのうちA若しくはCを満たしている3輪車であればヘルメットなしでの運転が可能と言うことになる。
- 排気量が20cc超~50cc以下、輪距が50cmを超える3輪の車
- 排気量が20cc超~50cc以下、輪距が50cm以下の車室を有する4輪以上の車
- 排気量が20cc超~50cc以下、輪距が50cm以下で車室を有する3輪の車
AとCを満たさない3輪車は原付扱いとなるが、輪距(トレッド)が基準に達しない3輪の車を改造してミニカーとして登録する人も多く、例えばホンダの“ジャイロ キャノピー”は原付として製造販売が行われているものの、トレッドを広げることでミニカー登録が可能になる。
必要な免許
一定の条件を満たす3輪車(ミニカー)であればヘルメットの着用なしで運転可能であることを確認したが、普通自動車以上の免許が必要である。
その外観と跨って乗ると言う性質上、2輪や原付免許で対応できると勘違いしてしまいがちだが、一歩間違えば無免許運転になりかねないだけに最新の注意を払わなければならない。
なお、ミニカーの基準を満たさない3輪車は原付扱いとなるので、当然のことながら原付免許や2輪免許を根拠に運転することができる。
原付 | ミニカー | |
排気量 | 20cc超~50cc以下 | 20cc超~50cc以下 |
輪距 | 50cm以下 | 50cm以上 |
運転できる免許 |
| 普通自動車免許以上 |
安全上の問題
ミニカー登録された3輪のバイクであればヘルメットなしで運転することができるとは言え、安全性を考えれば問題があることは明らかである。
事故が起きて運転者が転倒した場合など、ヘルメットの有無により身体へのダメージが大きく異なるケースも珍しくないだけに、やはりしっかり着用しておくに越したことはない。
“法律上の着用義務がないから”と言って油断することがないようにしよう。
終わりに
ヘルメットの着用なしで運転することができるバイクについてご理解いただけただろうか。
ミニカーの基準を満たすものであれば法律上問題ないことは事実だが、転倒した場合の安全性の観点からは、やはりヘルメットの着用を奨励したいところである。
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