2016年7月12日、国土交通省が国内で生産される自動車へのバックカメラの搭載の義務付けを検討していると報じられた。
実現すれば安全性の向上が期待されるが、何か不都合が出ないかどうかも気になるところだ。
バックカメラ
改めて説明するまでもないと思うが、バックカメラの概要について確認しておきたい。
これは、車の後部にカメラを搭載し、車内に設けられたモニターを通じて車後方の様子を確認する仕組みである。
肉眼では把握することができない箇所の状況を見ることができるため、安全性の向上が期待されるが、車庫入れの際などは非常に便利な機能なのだ。
現行の制度では、この機能の搭載はあくまでも任意であり、メーカー側に取り付けの義務があるわけではない。
よって、ユーザーが希望した場合に、メーカーオプションやディーラーオプションで後付けされるケースがほとんどである。
義務化を検討
今回の報道によれば、国土交通省が、このバックカメラの義務付けを検討しているらしい。
昨年、視聴覚障害者の方がバックしてきたトラックにはねられる事故が発生したことが大きく影響しているようだが、このような事故を防ぐ目的があると思われる。
早ければ3年以内に保安基準を改定し、搭載を義務づける方針のようだ。
海外では
海外には、すでにバックカメラの義務化が決定している国もあるようだ。
アメリカがその代表で、2018年の5月以降に販売される車にバックカメラの搭載が義務付けられることが決定しているらしい。
となれば、アメリカへ輸出するために製造される自動車には必ずバックカメラを取り付けなければならないわけで、国内での義務化も必然的なものと言えるかもしれない。
メリット
私も実際にバックカメラが搭載された車を所有しているが、メリットは大きい。
何と言っても、後方の様子が手に取るようにわかることが最大の特徴であり、車庫入れの際にはとても重宝する機能だ。
特に、後方の障害物との距離感を掴むことができる点は素晴らしいと思う。
たまに、バックカメラが搭載されていない車を運転した場合に、車庫入れが難しいと感じてしまうほどだ。
これに、“ソナー機能”が追加された場合は、安全性がさらに高まる。
ソナーとは、車に取り付けられたセンサーにより付近の障害物を検知し、運転者に知らせてくれる機能だが、カメラでとらえきれないコーナーの危険を認知しやすくなることは大きい。
これらが義務化となれば、安全性の向上に貢献することは間違いないだろう。
デメリット
義務化によるメリットの方が圧倒的に大きいと思うが、少なからずデメリットもあると思う。
何と言っても、バックカメラとモニターを搭載する分、車両価格が上がってしまうことが懸念される。
現在、オプション設定で5~10万円ほどで取り付けが可能なのだが、これがそのまま価格に反映されれば結構な負担増だ。
これについては、交通の安全い貢献する大義のもと、各メーカーに頑張って欲しいと思うところである。
また、バックカメラがなければ後方の安全を確認することができないドライバーが増えてしまうことも懸念される。
終わりに
バックカメラの搭載の義務づけにより、安全性が高まることを期待したい。
とは言え、それらの機能はあくまでも補助的なものであり、運転者が最大限の努力をして安全の確認をしなければならないことを忘れてはならないと思う。
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