スズキのソリオやイグニスなど、“マイルドハイブリッド”が搭載された車種が話題になっているが、今回はその仕組みに付いて投稿しようと思う。
通常のハイブリッドとの違いや燃費性能にも触れるので、是非とも最後まで読んで欲しい。
仕組み
※ 画像はスズキさんホームページ(http://www.suzuki.co.jp/car/bandit/performance_eco/)より印象。
マイルドハイブリッドは、自動車のハイブリッド方式の3つの典型の中では“パラレル方式”に該当する。
“モーターアシスト”と呼ばれることも少なくないが、搭載されるモーターがエンジンの働きをサポートすることが最大の特徴だ。
特に、走り出し時など低回転時には十分な駆動力を得ることができないエンジンの弱点を補完するものであり、燃費の向上やスムーズな走り出しに貢献することが期待される。
ただし、トヨタが採用する“THS-2”(スプリット方式)のように、モーターのみで走行することは不可能。
あくまでもエンジンで走り、必要に応じてモーターがこれをアシストすると考えて欲しい。
減速時にはモーターが発電機の役割をすることで減速エネルギーを電力に変え、バッテリーへと蓄えられるが、その電力でモーターを駆動の動力源となる。
燃費
マイルドハイブリッド(パラレル方式)とTHS-2(スプリット方式)を比較した場合、燃費の効率は後者に軍配が上がると言う意見を耳にする。
確かに、走行時には必ずエンジンが稼働するパラレル方式よりも、エンジンを停止させたままモーターの出力のみで走行することができるスプリット方式が優るのかもしれない。
現に、スプリット方式を採用するトヨタのアクアの燃費が37km/Lを超えるのに対し、マイルドハイブリッドを搭載するスズキソリオは28.8km/Lと、約10km/Lも劣る。
しかも、アクアのエンジン排気量は1.5Lで1.2Lのソリオよりも大きいのだ。
とは言え、メーカー公表燃費と実燃費が一致しないことも事実であり、特にアクアについては実燃費は公表値の半分と言う声も存在するほど。
このことからも、単純な比較は難しいと思う。
製造コスト
マイルドハイブリッドは、スプリット式よりも低コストで製造が可能。
モーターがエンジンをアシストするだけと言うシンプルな仕組みは、製造コストの削減と言うメリットも持ち合わせているのだ。
よって、仮に燃費性能でスプリット式に劣るとしても、製造コストの軽減が販売価格にも反映されるため、結果としてユーザーの負担が少なくて済むことは大きな魅力だと思う。
現に、燃費性能に優れるスプリット方式を採用するトヨタのハイブリッド車が、燃費の良さのみではガソリン車との購入価格の差を埋められないと言う現状もある。
マイルドハイブリッドには、システムがシンプルであるが故に低コストで生産できるメリットがあることも、覚えておいて欲しい。
終わりに
モーターがエンジンをアシストすると言うシンプルな方式のマイルドハイブリッドだが、シンプルが故のメリットが多いことが特徴だ。
これからの動向にも注目したい。
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