最近、”◯◯県はドライバーは運転が荒いから事故が多い”などと言う声を耳にすることがあり、その真偽を確かめるべく、都道府県別の交通事故発生件数を調べてみた。
ワーストの都道府県がどこなのかも気になるところだが、ぜひ最後までお読みいただきたい。
はじめに
今回は、①都道府県別の交通事故発生件数と②交通事故発生率をランキングにまとめてみた。
②の交通事故発生率は”交通事故発生件数/車保有台数”で求められるが、人口の多さに左右されることなく、各都道府県における事故発生確率を表すものである。
都道府県別交通事故発生件数
都道府県 | 交通事故発生件数 | 都道府県 | 交通事故発生件数 | 都道府県 | 交通事故発生件数 | |||
1 | 愛知 | 46,131 | 17 | 長野 | 9,283 | 33 | 奈良 | 5,868 |
2 | 大阪 | 42,729 | 18 | 宮城 | 9,142 | 34 | 愛媛 | 5,745 |
3 | 福岡 | 41,168 | 19 | 香川 | 8,942 | 35 | 大分 | 5,161 |
4 | 東京 | 37,184 | 20 | 佐賀 | 8,870 | 36 | 山梨 | 4,514 |
5 | 静岡 | 33,499 | 21 | 鹿児島 | 8,425 | 37 | 富山 | 4,379 |
6 | 埼玉 | 30,821 | 22 | 岐阜 | 8,250 | 38 | 徳島 | 4,372 |
7 | 神奈川 | 30,434 | 23 | 三重 | 8,110 | 39 | 青森 | 4,133 |
8 | 兵庫 | 30,118 | 24 | 福島 | 7,710 | 40 | 和歌山 | 4,115 |
9 | 千葉 | 19,705 | 25 | 熊本 | 7,584 | 41 | 石川 | 4,074 |
10 | 群馬 | 16,316 | 26 | 滋賀 | 6,598 | 42 | 岩手 | 2,712 |
11 | 茨城 | 12,534 | 27 | 長崎 | 6,465 | 43 | 高知 | 2,690 |
12 | 北海道 | 12,274 | 28 | 山形 | 6,426 | 44 | 福井 | 2,416 |
13 | 広島 | 12,479 | 29 | 栃木 | 6,413 | 45 | 秋田 | 2,270 |
14 | 岡山 | 12,271 | 30 | 新潟 | 6,317 | 46 | 島根 | 1,583 |
15 | 京都 | 10,185 | 31 | 山口 | 6,268 | 47 | 鳥取 | 1,168 |
16 | 宮崎 | 9,759 | 32 | 沖縄 | 6,242 |
参考:警察庁交通局 ”平成26年中の交通事故の発生状況
上の表は、平成26年中の都道府県別の交通事故発生件数をまとめたものである。
最も多く事故が発生しているのは愛知県だがその件数は46,131件、次いで大阪の42,729件、さらに41,168件の東京がこれに続く。
特に愛知県については、“悪質な運転をするドライバーが多い”、”運転が荒い”などと言う噂をよく耳にするが、この結果を見る限り、一定の信憑性があるようにも思われる。
もちろん、人口そのものが多いことを忘れてはならないが、車の保有台数が多ければ交通事故の発生件数が増えるのは当然のこと。
現に、愛知、大阪、東京、福岡、神奈川と、上位にランクインしているのはいずれも大都市であり、その人口もとても大きいのだ。
事故発生率
発生件数の他、交通事故発生率に注目することで、事故が起こりやすい地域を特定することができる。
交通事故発生率は“交通事故件数/車の保有台数”で算出され、人口の大きさに左右されないことが特長だ。
下に各都道府県の事故発生率をまとめたものを載せたが、意外にも1位は佐賀県で、事故発生率は1.32%。
続いて福岡県の1.24%、その次が静岡県の1.17%、事故発生件数No1の愛知県は0.92%で第9位にランクインしている。
都道府県 | 交通事故発生率(%) | 車所有台数 | 都道府県 | 交通事故発生率(%) | 車所有台数 | ||
1 | 佐賀 | 1.32 | 673,268 | 25 | 愛媛 | 0.57 | 1,016,489 |
2 | 福岡 | 1.24 | 3,329,884 | 26 | 熊本 | 0.56 | 1,362,800 |
3 | 静岡 | 1.17 | 2,865,576 | 26 | 大分 | 0.56 | 917,762 |
4 | 大阪 | 1.14 | 3,735,142 | 28 | 千葉 | 0.55 | 3,583,929 |
4 | 香川 | 1.14 | 781,265 | 28 | 和歌山 | 0.55 | 754,425 |
6 | 宮崎 | 1.04 | 942,085 | 30 | 宮城 | 0.54 | 1,684,287 |
7 | 兵庫 | 1.00 | 3,014,558 | 30 | 三重 | 0.54 | 1,504,969 |
8 | 群馬 | 0.92 | 1,783,166 | 32 | 茨城 | 0.49 | 2,069,276 |
9 | 愛知 | 0.90 | 5,148,520 | 32 | 長野 | 0.49 | 1,897,001 |
10 | 東京 | 0.84 | 4,413,425 | 32 | 富山 | 0.49 | 898,820 |
11 | 岡山 | 0.81 | 15,24,283 | 32 | 岐阜 | 0.49 | 1,678,642 |
12 | 埼玉 | 0.76 | 4,047,979 | 36 | 高知 | 0.48 | 562,733 |
12 | 神奈川 | 0.76 | 3,991,848 | 37 | 福島 | 0.47 | 1,651,853 |
12 | 京都 | 0.76 | 1,339,203 | 38 | 石川 | 0.45 | 898,014 |
15 | 奈良 | 0.70 | 833,021 | 39 | 青森 | 0.41 | 1,006,536 |
16 | 徳島 | 0.70 | 621,602 | 40 | 栃木 | 0.38 | 1,709,222 |
17 | 山形 | 0.69 | 935,979 | 41 | 福井 | 0.37 | 661,429 |
18 | 長崎 | 0.68 | 948,197 | 42 | 新潟 | 0.34 | 1,845,728 |
19 | 広島 | 0.66 | 1,886,485 | 43 | 北海道 | 0.33 | 3,773,663 |
20 | 滋賀 | 0.65 | 1,020,080 | 44 | 島根 | 0.29 | 553,002 |
21 | 鹿児島 | 0.62 | 1,348,758 | 45 | 秋田 | 0.28 | 822,210 |
22 | 山梨 | 0.60 | 752,502 | 46 | 岩手 | 0.26 | 1,026,198 |
23 | 山口 | 0.58 | 1,074,829 | 47 | 鳥取 | 0.25 | 464,796 |
23 | 沖縄 | 0.58 | 1,083,369 |
- 参考1:警察庁交通局 ”平成26年中の交通事故の発生状況”
- 参考2:保険の窓口インズウェブ様 ”交通事故発生ランキング(都道府県別)”
佐賀県については説明が難しいが、今回の調査結果は、大都市ほど交通事故が起こりやすいことを物語っているように思える。
静岡、福岡、大阪、東京、愛知と、事故発生件数で上位を独占する大都市が、事故発生率でもトップ10に名を連ねていることがその根拠だ。
大都市では車線変更の機会も増えるだろうし、交差点の数も多い。
そして何よりも、交通量が圧倒的に大きくなるため事故が起こりやすく、より高度な運転技術が必要になるのだと思う。
地方都市であり、交通量が少ない道路が多いと思われる秋田や島根、鳥取の事故発生率が低いことも、これを裏付けるものと言える。
終わりに
交通事故の発生件数が多い都道府県と事故の発生率が高い都道府県がどこなのか、ご理解いただけただろうか。
特に、事故が多い地域にお住いの方には、より慎重に運転するように心がけていただきたいと思う。
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