信号待ちで停止中のギアはP・N・Dのどれを使うのが正しいの!?

信号待ちで停止中のギア

AT(オートマ)車を運転中に信号待ちで停止をする場合、みなさんが選択するシフトレバーの位置はどこだろうか。

具体的には“P・N・D”の3つのうちのいずれかを使用することになると思うが、今回はそれぞれのメリットとデメリットを考えてみたい。

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シフトレバーの位置

信号待ちで停止中のAT車のシフトレバーの位置として考えられるのは、①P(パーキング)、②N(ニュートラル)、③D(ドライブ)の3つ。

以下でそれぞれのメリットとデメリットを考察する。

P(パーキング)

まずはP(パーキング)だが、車両が前に進むことがないため誤発進防止の観点での安全性が高く、さらにサイドブレーキを引くことで強力な制動力を発生させることができる。

よって、後続車両に追突された場合に車が押し出される確率も低い一方、発進時に再びシフトレバーを操作する必要があり、例えば緊急車両が接近した場合など、迅速な対処が難しくなる恐れも…

また、発進時の操作を誤りギアをR(リバース)に入れてしまう可能性も否定できず、場合によっては深刻な事態を招きかねないので十分な注意が必要だ。

ちなみに、教習所ではこの手法を推奨していない。

N(ニュートラル)

続いてはN(ニュートラル)だが、傾斜により車が前後する可能性があるため、当然のことながらサイドブレーキを併用することになる。

また、パーキング同様発進時に再度シフトレバーを操作する必要があり、迅速な発進が求められる場面では少々難があるかもしれない。

一方で、フットブレーキから足を離すことができるため足が疲れ難いことや、シフトレバーの操作が必要なもののNとDの間のレバー移動にとどまるため誤ってRに入れてしまう心配がないこともポイントだ。

こちらも教習所非公認の手法である。

D(ドライブ)

最後はD(ドライブ)だが、クリープ現象による車両の前進を防止するためフットブレーキを踏み続けるのが原則である。

教習所で正式に習う方法であることから最も多くのドライバーがこの方法を実践しているはずだが、シフトレバーを操作する必要がなくスムーズに発進できることが最大のメリットだ

一方、足がフットブレーキから離れた場合に車が前進してしまうことを懸念する声もあるようで、後ろから追突された場合のリスクを指摘する人も少なくない。

AT車が前提とする停止中の動作がこの手法であることを考えても、個人的にはベストな方法だと思うのだが…。

法律上は

信号待ちで停止中のシフトレバーの位置を直接規定する法律は見当たらないものの、私の知る限りでは、やはりD+フットブレーキが正しい方法であるとの結論に達する。

その根拠となる道路交通法第53条第1項を下に載せた。

(合図)

車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第4項において同じ。)の運転者は、右折し、左折し、展開回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない

                      道路交通法第53条第1項より

同条文では右左折、Uターン、徐行、停止、後退、進路変更をする場合に然るべき合図をしなければならないことが規定されているが、右左折やUターン、進路変更時にはウインカーが、徐行、停止時にはブレーキランプが、そして後退時にはバックランプがその合図の役割を担うことはご周知の通り。

中でも特に重要なのが“これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない”と言う文言であり、これにより信号待ちで停止中には継続したブレーキランプの点灯が求められると解釈することができる。

そのブレーキランプを点灯させるには当然ながらブレーキペダルを踏まなければならないわけで、信号待ちで停止中にD+フットブレーキを使用すべき理由もここにあるのだ。

もちろん、PやNを使用しながらフットブレーキを踏む選択肢もあるだろうが、それではそれらのギアを使用する目的と相反するはず(いずれもフットブレーキから足を離すことを前提としているため)。

教習所での指導が以上のことを根拠にしているかどうかは定かでないが、やはり“D”が停止中の正しいシフトレバーのポジションであると考えてよいのではないだろうか。

終わりに

今回は信号待ち等で停止中のシフトレバーの位置について投稿してきたが、なかなか興味深い問題でもあると思う。

人それぞれに様々な考え方があるのだろうが、よい意見があればぜひご教授願いたい。

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