マツダの試乗会に参加してきた。
何種類かの車種に試乗したのだが、今回は、特に評価が高いアクセラ15sについてのレビューを投稿したい。
試乗車
今回試乗したのは、“アクセラ15s touring”で、ガソリン1.5リッターの中では最も上位に位置するモデルである。
駆動方式は2WD、トランスミッションはAT。
なお、この1.5リッターモデルには、セダンとスポーツ(ハッチバック)の2種類のボディタイプがあるが、動力性能や販売価格は両モデルとも共通だ。
排気量 | 型番 | 駆動方式 | 変速機 | 価格(税込) |
アクセラ 1.5L | 15c | 2WD | AT | 1,760,400円 |
MT | 1,760,400円 | |||
4WD | AT | 1,976,400円 | ||
15s | 2WD | AT | 1,922,400円 | |
MT | 1,922,400円 | |||
4WD | AT | 2,138,400円 | ||
15s touring | 2WD | AT | 2,138,400円 | |
MT | 2,138,400円 | |||
4WD | AT | 2,354,400円 |
走り
動力性能
搭載される1.5リッターガソリンエンジンのスペックは以下の通り。
エンジンタイプ | 総排気量 | 最高出力 | 最大トルク |
SKYACTIVE-G 1.5 | 1.496L | 82kW [111PS/6,000r.p.m] | 144N・m [14.7kgf・m/3,500r.p.m] |
数字だけを見れば特に目を見張るものはないが、実際に走らせてみると、動力性能に不満を感じることは全くない。
1.3リッターのデミオよりも余裕があることがすぐにわかったが、200ccの排気量の違いは数字以上に大きいようだ。
1.5リッターと言う排気量に不安を感じ2.0リッターを選択する人もいると聞くが、その必要はないように思える。
急な上り勾配や高速道路を走行したわけではないので何とも言えないが、普段使いでは十分な動力性能だと思う。
また、このガソリンエンジンはMTとの相性も抜群で、マニュアル車の評価が非常に高いことも覚えておいて欲しい。
加速
結論から言えば、非常に上質な加速を楽しむことができる車だと思う。
アクセルペダルを軽く踏み込むだけでスムーズに走り出すのだが、その反応が本当に素直で、ドライバーの意図を車が理解してくれているような印象を受けた。
思わず、マツダの言う“人馬一体”とはこのことかと思ってしまったほどである。
車体の安定性やエンジンサウンドの良さ、ボディ剛性の強さなど様々な要素が作用してこの素晴らしい加速感を実現しているものと思われるが、その完成度はとても高い。
エンジンサウンド
何よりも素晴らしいのがその“エンジンサウンド”であるが、静粛性が高いこともあってか、実に気持ちのよい音だけが室内に入ってくる。
洗練されていると表現するのが正しいと思うが、そのサウンドから、エンジンが非常にスムーズに回転していくことを実感することができるのだ。
その上質なサウンドと共に加速していくフィーリングは、まさに絶品。
今回のアクセラは、圧倒的な動力性能を誇るディーゼルモデルに大きな注目が集まっているが、エンジンの完成度や走りの上質さでは、この15sには遠く及ばないと言えるだろう。
安定感
デミオと比べてホイールベースが長いこともあり、車体の安定性もより優れているように感じられた。
コーナーでの安心感、直進安定性共に申し分ない。
デミオ同様、理想的なドライビングポジションを取ることができるので、運転による疲労が少ないことも安心感につながっていると言えるだろう。
速度の上昇とともに車体の安定性も増す印象があり、高速道路ではそれがなお際立つように思われる。
静粛性
静粛性も十分に合格点を出せるレベルだと思う。
もちろん、エンジン音が全く聞こえてこないわけではないが、ボリューム自体はデミオよりも小さいし、サウンドの質自体も素晴らしい。
“このサウンドを聴かせるためのチューニングがなされているのでは”と思うくらいだ。
風切り音やロードノイズ対策も入念に行われているような印象を受けるが、一般道を走行している限りでは室内はとても静かである。
燃費
燃費も優秀だと思うが、試乗車に乗り込んだ時点で表示されていた数字は“12.7km/L”。
決してよい数値ではないが、試乗のために常にアイドリングをしていることや、試乗での走行距離が極めて短いことを考慮すれば、当然とも言えるだろう。
営業の方の話によれば、“普段の街乗りでは13~14km/Lくらいで、遠出をすれば20km/L近くは出る”とのことであった。
燃費計をリセットさせてもらい、試乗コースを少々長めに走行した結果が”18.8km/L”だったことからも、正鵠を得ているものと思う。
車の特徴を把握し、より効率良いアクセル操作が可能になれば、さらなる燃費の向上を期待できるだろうし、20km/Lオーバーも夢ではないはずだ。
ハイブリッド車やコンパクトカーのデミオと比べれば見劣りするものの、十分に納得できる燃費性能だと思う。
デザイン
エクステリア
マツダの誇る“鼓動デザイン”を象徴するエクステリアになっているが、やや長めのノーズが特に印象的だ。
セダン、スポーツともに非常にカッコよく、どちらを選択しても間違いなく満足できる出来であると思う。
ボディカラーは“ソウルレッド(赤)”が綺麗だが、やはり白も捨て難い。
インテリア
こちらも非常に質感が高い。
基本的にはデミオと似ているのだが、エアコン周りにデジダル表示が取り入れられるなど、より先進的な印象を受ける。
最上位グレードの“15s touring”になると、単眼タコメーターとアクティブドライビングディスプレイが搭載され、デザイン性がさらに向上することも嬉しいところだ。
一方で、レザーシシートが選択できない点は残念でならない(ガソリン2.0、ディーゼルのみ選択可能)。
ホワイトカラーのシートの質感が特に高いだけに、これが15s touringでも選択できれば、さらに素晴らしいプレミアムな車になると思うのだが・・・。
実用性
実用性にも何ら不満を感じることはないが、頭上のスペースに余裕があるし、後席膝前のスペースも広い。
後席にはアームレスト、ドリンクホルダーもついているので、この点はデミオに比べてだいぶ実用的である。
特に、ハッチバックモデルはラッゲジも広く、後席を倒せばさらに広大なスペースが生まれるので、大きな荷物を積み込む場合も安心だ。
価格
最後になるが、コストパフォーマンスが非常に高いことも見逃せない点であり、数あるアクセラのラインナップの中でも特にお買い得なモデルだと思う。
というのも、この1.5リッターモデルの中間グレードである15sの価格が、ディーゼルモデル”XD”に比べ、約100万円も安いのだ。
ディーゼルモデルの動力性能は確かに素晴らしいが、日常領域であればそこまでは必要ないし、走りの完成度ではこちらの1.5リッターに軍配が上がることも事実。
200万円前後の価格で、これほどの走りと実用性を兼ね備えた車を購入することができるのだから、驚くべきことと言ってもよいくらいである。
また、デミオ・ディーゼルモデルの中間グレードである”XD”よりも、このアクセラ15sの方が安いことにも注目しなければならない。
コンパクトカーよりも安い価格で、これほどまでに素晴らしい車を購入することができるというのだから、何とも興味深いことだ。
車種 | エンジンタイプ | 型番 | 駆動方式 | 変速機 | 価格(税込) |
デミオ | ディーゼル | XD | 2WD | AT | 1,782,000円 |
MT | 1,782,000円 | ||||
4WD | AT | 1,976,400円 | |||
XD touring | 2WD | AT | 1,965,600円 | ||
MT | 1,965,600円 | ||||
4WD | AT | 2,160,000円 | |||
XD touring L package | 2WD | AT | 2,019,600円 | ||
MT | 2,019,600円 | ||||
4WD | AT | 2,214,000円 | |||
アクセラ | ガソリン | 15c | 2WD | AT | 1,760,400円 |
MT | 1,760,400円 | ||||
4WD | AT | 1,976,400円 | |||
15s | 2WD | AT | 1,922,400円 | ||
MT | 1,922,400円 | ||||
4WD | AT | 2,1384,00円 | |||
15s touring | 2WD | AT | 2,138,400円 | ||
MT | 2,138,400円 | ||||
4WD | AT | 2,354,400円 | |||
20s | 2WD | AT | 2,278,800円 | ||
MT | 2,278,800円 | ||||
20s touring | 2WD | AT | 2,430,000円 | ||
MT | 2,430,000円 | ||||
20s touring L package | 2WD | AT | 2,559,600円 | ||
MT | 2,559,600円 | ||||
ディーゼル | XD | 2WD | AT | 3,067,200円 | |
MT | 3,067,200円 |
終わりに
今回、アクセラ15sに試乗してみて強く感じるのは、車のクオリティの高さが必ずしも価格やスペックに比例するものではないと言うことだ。
実際に試乗していただければ、本投稿を読んでいただいている皆さんにもこの車の素晴らしさを体感して頂けるものと確信するところである。
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