歩行者の信号無視で交通事故に! 責任・過失はどうなる!?

赤信号

ドライバーが交通事故を起こさないように努めなければならないことはもちろんであるが、マナーの悪い歩行者がいることも事実だ。

平気で信号無視をする人を見かけることもあるが、事故になった場合はどうなるのだろうか。

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法律上は

まずは、”道路交通法”で、”歩行者”の通行についてどのような規定がなされているのかを確認しておく必要がある。

信号機の信号などに従う義務

(信号機の信号等に従う義務)

道路を通行する歩行者又は、車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第1項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。

                        道路交通法第7条より

こちらは、”道路交通法第7条”だが、歩行者と車両は信号に従わなければならないことが規定されている。

同時に、”歩行者も道路交通法を厳守しなければならない”ことを確認しなければならない。

この条文をみると、”何かあれば全て車の責任”、”歩行者は罰せられない”などという考えが全く根拠のないものであることがよくわかる。

これに違反した場合は、当然、”信号無視”に問われることになる。

通行区分

(通行区分)

2 歩行者は、歩道等車道の区別がある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。

一  車道を横断するとき

二  道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得   ないとき

                     道路交通法第10条第2項より

こちら、”道路交通法第10条第2項”では通行区分について規定されているが、”歩行者は原則として歩道を通行しなければならない”ことが規定されている。

実際に、事故が起こった場合、歩行者がどこを通行していたのかと言うことが過失割合に影響する可能性もあるのだ。

横断の方法

(横断の方法)

歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においてはその横断歩道によつて道路を横断しなければならない。

                     道路交通法第12条第1項より

(横断の禁止の場所)

歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によって道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りではない。

2 歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては道路を横断してはならない。

                        道路交通法第13条より

”道路交通法第12条第1項”では、歩行者の道路の横断について規定されている。

これによると、歩行者は、横断歩道が近くにある場合はその横断歩道を渡らなければならないことがわかる。

では、近くに横断歩道がなければ自由に車道を横断してもよいのかと言われればそうは言えないだろう。

”道路交通法第13条第1項”で、歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならないことが規定されている。

言い換えれば、歩行者は原則として横断歩道を横断しなければならず、それ以外の場所で道路を横断することにより車の交通を妨害してはならないと言うことだ。

この条文からも、”歩行者は何をやっても大丈夫”と言う考えが全く根拠がないものであることがよくわかる。

交通事故

交通事故

過失割合

自動車と歩行者の間に交通事故が起こった場合、”基本的には車が悪い”と言う認識を持つことは間違いではない。

その緊張感が安全運転を促し、結果、交通事故の発生を予防する効果が期待できるからだ。

一方、”基本的には運転手が悪い”と言う原則は認めつつも、歩行者の過失がより大きく問われるケースも報告されている。

ポイントは、①歩行者の通行場所と、②事故当時の信号の状況の2つである。

歩行者の通行場所

事故の発生時に、”歩行者が歩道を歩いていた”、または”横断歩道を渡っていた”となれば、全ての過失が車の運転者に課せられると考えてよいだろう。

車が車道を走行しなければならないことは当然であるし、横断歩道を渡る歩行者の通行を妨げることは許されないからだ。

一方、歩行者が横断歩道以外の場所を横断していたり、車道にはみ出して歩いていた場合は少々話が異なる。

”道路交通法第10条と12条、13条”で確認したように、歩行者にも歩道を歩かなければならない義務があるし、横断歩道以外の場所で走行する車の前後を横断してはならないのだ。

このようなケースでは、歩行者側の過失も問われることになるが、その割合自体が大きいわけではなく、その割合は”10~30%程度”にとどまるようだ

信号の状況

信号の状況は過失割合に大きな影響を与えるのだが、主に、①歩行者側の信号が青、②歩行者側が黄色(点滅)、③歩行者側が赤の3つのパターンに分類される。

①と②の状況では自動車側の信号は赤、③の場合は、自動車側の信号は青または黄色と言うことになる。

①の場合、自動車側の信号が赤であるため、全ての過失はドライバーにあることは言うまでもない。

歩行者:自動車の割合で言えば、”0:10”になる。

②になると、自動車側の信号が赤であることに変わりはないが、歩行者側も黄色(点滅)であることを追及され、その割合が”1:9”になるケースもあるようだ。

この場合も、自動車側の過失が大きいことに違和感を覚える人はいないだろう。

問題は③で、歩行者側の信号が赤の場合であるが、歩行者:運転者の過失割合は”7:3”になることが多いらしい。

”歩行者側の信号が赤なのだから全て歩行者が悪い”と思うかもしれないが、そうはならないようだ。

”何かあれば自動車の責任”と言う原則がここでも影響していると言うこともできるが、個人的な意見としては少々納得できない気がする。

日常から安全運転を厳守しているドライバーがこのようなケースに巻き込まれた場合を想像すると、何とも居た堪れない気持ちになってしまうのは私だけだろうか。

信号の状況 過失の割合(%)
歩行者 自動車 歩行者 自動車
0 100
点滅 10 90
黄色 60 40
70 30

刑事処分

上記の過失割合は、主に、”民事責任”(損害賠償、慰謝料、治療費など)に関わる問題である。

交通事故を起こした場合は、民事責任の他に”刑事責任””行政責任”も負わなければならないのだが、今回のケースではどうなるのかが気になることろだ。

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今回の場合は、”歩行者の信号無視”が事故の原因とされるので、運転者の刑事責任は問われない場合が多いらしい。

たいていの場合は”不起訴処分”で、稀に”罰金”と言うのが正しい表現のようだが、罰金の額も高額になることはないだろう。

行政処分

行政処分については、”安全運転義務違反”として反則点数2点が加点されることが多いようである。

歩行者の信号無視が原因であるだけに、ドライバーとしては納得し難いところだが、道路交通法に規定される”安全運転の義務”を怠ったと判断されるのだ。

恐るべし安全運転義務違反・・・

しかしながら、100%この違反に問われるわけではなく、場合によっては点数が加点されないこともあるようなので、”その状況による”と言う表現にとどめておくのがよいかもしれない。

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終わりに

歩行者の信号無視が原因でも、ドライバーには一定の過失割合があると判断されることは理解しなければならない。

後味の悪い結果になることを避けるためにも、絶対に事故を起こさないように努める必要があるのだ。

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