ショッピングモール等の立体駐車場の中には高さ制限が設けられているものも少なくないが、今回はその基準について考えてみたい。
ミニバンなど全高の高い車でも制限をクリアすることができるのだろうか。
統一基準なし
はじめに結論を言えば、立体駐車場の高さ制限に明確な統一基準は存在しない。
意外に思われるかもしれないが、法律による何かしらの規定があるわけでもなく、言い換えればそれぞれの駐車場が任意の高さを設定することが可能なのだ。
とは言え、実際の高さ制限は駐車場のタイプ毎にほぼ同じ数字に落ち着くようなので、以下で自走式、機械式の2つの形態に分けて解説する。
一般的な平均値
自走式駐車場 | 機械式駐車場 | |
高さ制限の平均 | 2~2.5メートル | 1.5メートル |
自走式
駐車場内を自分で運転して移動するタイプの駐車場を“自走式駐車場”と呼ぶが、ショッピングセンター等の大型立体駐車場に採用されることが多く、スロープを通り各階を行き来する点が特徴である。
このタイプの立体駐車場の場合、その高さ制限の平均は2~2.5メートルほど。
よって、普通の自家用車であれば全く問題なく、アルファードのような大型ミニバンでも十分に基準をクリアすることができる。
バスやダンプカーなどの大型車でもなければ、高さを心配する必要はまずないはずだ。
年式が古い場合
同じ自走式でも年式が古い立体駐車場では高さの制限がより低くなる場合があるが、一般的な自走式立体駐車場に見られる2~2.5mではなく、“1,790mm”の制限が設けられているところもあるので、十分に注意しなければならない。
この条件では、ミニバンやダイハツウェイクなどの全高が高い車はゲートを通過することができず、一般的な軽自動車やSUV車でも利用が困難になる場合も…。
自走式の立体駐車場はショッピング施設の建物と連結していることが多いため、その建物自体が古い場合は駐車場の高さ制限も低くなる可能性があると考えてよいと思うが、いずれにせよゲート付近には必ず高さ制限が記載してあるはずなので、確認を怠らないようにしよう。
機械式
自ら運転して駐車場内を移動するのではなく、駐車区画まで機械によって車が運ばれる方式の駐車場を“機械式駐車場”と呼ぶ。
このタイプの駐車場では“1,550mm”の高さ制限を設けているところが多く、ミニバンはもちろん、キューブやbBなど少々高さのあるコンパクトカーにとってもかなり厳しい数値である。
その他、全高が高い傾向にある最近の軽自動車もそのほとんどが基準をクリアできない計算であり、利用可能なのはセダンとデミオやロードスターのように全高が低めのコンパクトカーに限られるようだ。
中には約2,000mmとゆとりを持った高さ制限を設けている機械式駐車場も存在するものの、残念ながらその数は決して多くないのが現状である。
車幅制限
機械式駐車場には、高さのみならず車幅制限が設けられていることも覚えておきたいポイントである。
と言うのも、機械式駐車場ではエレベーターに車を乗せて各階を行き来する必要があるため、車幅がそれに収まるサイズでなければならないのだ。
その数値は“1,850mm”のところが多いため普通車での利用はかなり厳しく、例えばクラウンの全幅は1,800mmなので片側に2.5cmしか余裕がなく、一歩間違えれば枠にぶつけてしまうことに…。
もちろん、クラウンよりもさらに大きなカムリやフーガ、アルファード等の車は完全にアウトであるが、この車幅制限の都合からも機械式駐車場を安全に利用することができるのはせいぜいコンパクトカーまでと考えた方がよいと思われる。
終わりに
今回は立体式駐車場の高さ制限について投稿してきたが、特に機械式駐車場を利用する場合にはその制限により利用ができないケースも少なくないので、注意が必要である。
もちろん、機械式のみならず、立体駐車場のゲート付近には必ず高さ制限についての表示があるはずなので、しっかり確認するようにしよう。
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