準中型免許とは!? 法改正の内容と運転できる車の大きさを知ろう!

準中型免許

2007年に自動車の運転免許に“中型免許”が新設されてから10年が経過しようとしているが、今度は”準中型免許”と言うさらに新しい区分が設定されるらしい。

なかなかややこしい問題だが、今回はこの準中型免許について投稿しようと思う。

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免許制度の変遷

2007年まで

2007(平成19)年までは特にややこしいこともなく、第1種免許には、普通免許と大型免許の2種類が設けられているのみであった。

車両総重量が8トン、最大積載量が5トン未満までの車であれば普通免許で対応することが可能で、それ以上大きな車を運転する場合には大型免許が必要になる仕組みである。

個人的には、最も分かりやすくてよかったと思うのだが・・・。

免許の種類 各免許で運転できる車
最大積載量車両総重量
大型免許5トン以上も運転可能8トン以上も運転可能
普通免許5トン未満8トン未満

2007年〜現在

平成19年の道路交通法改正を受け、新たに中型免が新設された。

普通免許で運転できる範囲が車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満に変更され、改定前と比べ大幅に狭くなったことも大きな特長である。

その普通免許と大型免許の間に中型免許が設けられたが、車両総重量11トン未満、最大積載量が6.5トン未満の車であれば、この免許で運転することが可能だ。

免許の種類各免許で運転できる車 
車両総重量  最大積載量
大型免許11トン以上も運転可6.5トン以上も運転可
中型免許11トン未満6.5トン未満
中型免許(8t限定)8トン未満5トン未満
普通免許5トン未満3トン未満

なお、この改定以前に普通免許を取得した人は、当時の普通免許の適応範囲である車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満の車を運転することが可能

これが、いわゆる“中型免許8トン限定”である。

ただし、同じ中型免許と言えどもあくまでも総重量8トン未満の車が対象であり、それ以上の車を運転することは許されないので注意が必要だ。

なお、この記事を作成している2016年12月18日現在もこの区分が適用されていることを確認しておきたい。

2017年5月以降

平成29年の道路交通法の改定により、さらに中型免許が新設されることが決定している。

中型免許の登場だけでもややこしく感じるが、さらに複雑になることは確実であり、できれば勘弁して欲しいところだが・・・。

免許の種類 各免許で運転可能な車
車両総重量最大積載量
大型免許11トン以上も運転可6.5トン以上も運転可
中型免許11トン未満6.5トン未満
中型免許(8トン限定)8トン未満5トン未満
準中型免許7.5トン未満3トン未満
準中型免許(5トン限定)5トン未満
普通免許3.5トン未満2トン未満

前回の改定同様、普通自動車免許で対応できる範囲が縮小され、中型免許との間に準中型免許が組み込まれると考えればよいと思う。

中型自動車免許で対応できるのは、車両総重量が7.5トン、最大積載量が3トン未満の自動車だが、改定前に普通自動車免許を取得した人は、やはりその条件が適用される

これがいわゆる準中型免許5トン限定であるが、車両総重量5トン未満、最大積載量が3トン未満の車であれば、運転することが可能だ。

中型8トン限定の存在もあり、本当にややこしいのだが、自分が取得する免許の条件と実際に運転することができる車の大きさを正確に把握する必要があると言える。

詳しくは後述するが、普通自動免許で運転することができる範囲がかなり狭くなる点に、特に注意して欲しい。

準中型免許

免許制度の変遷の説明でも述べた通りだが、2017年の道路交通法の改正で、新たに準中型免許が新設されることが決定している。

この免許で運転できるのは、車両総重量が7.5トン未満、最大積載量が3トン未満の自動車だが、それ以上大きな車を運転するには中型免許や大型免許を取得しなければならない。

車体の大きさと積載量や車両重量が一致しない車もあり一概には言えないが、ヤマト運輸などの運送会社の配達用のトラックを運転するには、この免許が必要になる計算だ

また、現行の中型免許を取得するには年齢が20歳以上であることと、普通免許を取得してから2年が経過していることが条件だが、この準中型免許にはそれらの制限はない。

現在、高卒の新人は入社後2年間トラックを運転できないが、今後は彼らを即戦力として雇用きるため、準中型免許の新設は運転手不足に悩む運送会社にとっては朗報と言えるだろう

準中型免許
準中型免許:車両総重量7.5トン未満/最大積載量3トン未満の車を運転することが可能

注意点

2017年の制度改正を受け、普通自動車免許で運転することができる範囲が大きく縮小されたことを何度も述べてきたが、これには最新の注意を払わなければならない。

最も注意すべきは、現行の普通自動車免許で運転することができる車両総重量4トン、最大積載量3トン前後のトラックの扱いである。

ヤマト運輸が個人宅へ荷物を配送する際に用いいるトラックがこのサイズに該当するが、制度改正後に免許を取得する場合、普通免許ではこれらの車を運転することは不可能。

制度の変更をよく理解せず、従来通り普通免許で対応できると安易に考えていると、無免許運転に問われる可能性があるのだ。

よって、自分が取得している免許の条件を正しく把握し、普段と異なる車を運転する場合は、その条件に適合するかどうかを確認することが今以上に求められるのだと思う。

もちろん、現行の普通免許を取得している人は”準中型5トン限定”としてその条件が引き継がれるので、基準を満たす車であればこれまで通りに運転することが可能である。

終わりに

来年の免許制度の改定と、それに伴い新設される準中型免許について、ご理解いただけただろうか。

これから免許を取得される方には、自身の用途に合った免許を取得すると同時に、運転する車が免許条件に適合するかどうかをしっかり確認していただきたいと思う。

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