日中、車の運転にサングラスを着用する人も多いと思うが、適切なものであれば夜間に使用する事も可能らしい。
そこで今回は、運転用サングラスの正しい選び方について投稿しようと思う。
数値の意味
はじめに、サングラスを選ぶ場合の基礎知識について確認しておきたい。
店頭に並ぶサングラスを見ると、①偏光度、②可視光線透過率、③紫外線透過率なるものを示す数値が表示されていることがある。
これらは、サングラスの性能を知る上でとても大切な指標なのだ。
- 偏光度
- 可視光線透過率
- 紫外線透過率
偏光度
これは、“光の乱反射をどれだけカットすることができるかを示した数値”である。
乱反射とは、表面が滑らかではないものに光が当たり、様々な方向に反射することを言うが、身の回りにある多くのものに起こり得る現象だ。
一方、表面が滑らかな鏡に光を当てると全て同じ方向に反射するが、これを鏡面反射という。
乱反射はこの表面反射と相対する現象だが、人間の目は散乱した光を制御する機能を持ち合わせていないため、眩しく見えてしまうのだ。
偏光度が高いサングラスほど、よりたくさんの乱反射光を取り除いてくれるため対象物が見えやすくなるが、これが100%に近付くほど高性能になる。
普段はそれほどでもないかもしれないが、後述する夜間の運転では、これが非常に重要なポイントになることを覚えておいて欲しい。
可視光線透過率
人間の目で見ることが可能な光(可視光線)をどれだけ通すかを表すのが、可視光線透過率である。
“サングラスをかけた場合の明るさを決定する数値”と考えればわかりやすいと思う。
乱反射を取り除く度合いを示す偏光度とは異なる概念だが、この数字が高ければ高いほど視界が明るく、低ければ暗くなると考えればそれで十分だ。
日中太陽の光が強い場合にこの数値が高いサングラスをかけても眩しさを解消することはできないので、できるだけゼロに近いものを選んだ方がよい。
一方、この数値が低いサングラスは、夜間に使用することが困難になる。
ただでさえ暗い夜間に、わずかに存在する光さえ遮ってしまうわけだから当然の話ではあるが、夜用としてはこの数字が高いものを選ぶことが望ましい。
紫外線透過率
ご存知の通り、どれだけ紫外線を通すかを示す数値である。
紫外線は人間の目で見ることができない光なので見え方に影響することはないが、皮膚や目に悪影響を及ぼすことはご存知の通り。
よって、この数値が低いものを選んだ方がよいだろう。
とは言え、現在販売されているサングラスは、格安のものであってもそのほとんどが紫外線透過率1.0%を実現している。
見え方に影響するわけでもないので、運転用のサングラスを選ぶ場合には、それほど気にしなくてもよいかもしれない。
選び方
運転用のサングラスを選ぶ場合、何と言っても可視光線透過率が重要であるが、眩しい太陽の光を遮るためにはこの数値が低いものを選ぶ必要がある。
具体的な数字を言えば、可視光線透過率20~30%のものがよいとされているようだ。
これ以上数値が低くなっても大きな問題が生じることはないようだが、暗くなり過ぎて視界が悪化しても困るので、注意して欲しい。
偏光度が高ければさらによいが、不規則な光の乱反射を取り除くことでよりはっきりと前方を見ることができる点は大きなメリットである。
日中に使用する運転用サングラスとしては、可視光線透過率が20~30%で偏光度が高いものを選ぶようにしよう。
夜間・雨天用
日中用とは別に、夜間、特に雨天時用のサングラスを用意しておくことをお勧めしたい。
夜間にサングラスと聞いて驚かれる方も多いと思うが、適切なものを選択することで、安全運転にとって大きなメリットとなる場合があるのだ。
もちろん、日中使用を目的としたサングラス(可視光線透過率20~30%)を夜間に使用することは不可能。
ほとんど前が見えず、極めて危険なので絶対に避けなければならない。
一方、可視光線透過率80%以上のサングラスであれば夜間でも使用が可能で、対向車のヘッドライトが眩しい場合に、その光を適切に遮断することができるのだ。
これがさらに大きな効果を発揮するのが、夜間、それも雨天時に運転する場合である。
この条件では、濡れた路面に付近の車両のヘッドライトが反射し、非常に前が見えにくくなるのだが、夜間用サングラスを着用することでそれを遮ることが可能。
路面が濡れていれば乱反射のレベルも圧倒的に高まるが、偏光度が高いレンズであれば、その影響もかなり軽減される。
可視光線透過率80%以上で偏光度が高いサングラスを着用することで、最悪の視界状態が劇的に改善される可能性があることを覚えておいて欲しい。
終わりに
眩しい太陽の光を遮ることばかりでなく、夜間にもサングラスが活躍する可能性がある。
特に、夜間の雨の中の運転は最も厳しい状況であるから、視界の改善を期待できるのであれば積極的に活用したいところだ。
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