皆さんの街にも、ディーラーはじめ多くの自動車整備工場が存在すると思うが、それらが指定工場と認証工場に分類されることをご存知だろうか。
今回は、両者の違いや車検との関係について投稿したいと思う。
はじめに
はじめに、自動車の分解整備を行うには各地方運輸局長の認証を得る必要があることを確認しておきたい。
ディーラーや地元の工場など当たり前のように営業しているが、しっかりと認可を受けた上でのことなのだ。
その整備工場は、①指定工場と②認証工場に分類されるのだが、詳細は以下を参照して欲しいと思う。
認証工場
まずは認証工場だが、こちらに認証された工場は、自動車の分解整備を行うことができる。
整備対象となる自動車の種類は、①普通自動車、②小型自動車、③軽自動車に区別され、人員や面積、設備の基準を満たさなければならない。
人員は2人以上が必要で、全工員の1/3以上が自動車整備士の資格を有していなければならないことに加え、それら整備士の中から整備主任者を1人以上選出する義務がある。
面積については、軽自動車整備の場合は50.25平方メートル以上、普通自動車整備では180.5平方メートル以上が必要。
設備についても、テスターはじめ指定された機器を設備しなければならない。
認定工場
少々紛らわしいが、認定工場とは、認証工場の中でも優良な工場と認められたものを言う。
さらに細かく、第1種認定工場と第2種認定工場に分類されるが、後者はより小規模な工場がその対象とされるようだ。
認定工場として認められるには、申請書を作成し、各地方運輸局長に申請する必要がある。
指定工場
指定工場に認定されると、自動車の分解整備に加え、車検を実施することも可能になる。
本来国が行う車検業務を代行することができるわけだが、“民間車検場”と呼ばれる理由がここにあるのだ。
そのためには、第2種認定工場以上の設備、技術、管理組織を有することや、指定された機器を備えなければならない。
また、自動車検査員1人と整備士1人を含めて4人以上の整備工員を確保し、なおかつ整備工員の1/3以上が整備士の資格を有することが必要とされている。
指定工場では、自らの工場内で車検を行うことができるため、車検時に地域の車検場まで車を移動する必要がない。
よって、点検→整備→検査の一連の作業を、よりスムーズに行うことができるのだ。
一方、認証工場へ車検を依頼した場合、その工場内で点検と整備を行うことができるが、検査は不可能。
整備→点検後、車検場まで車を持ち込み検査を受ける必要があり、少々面倒なことは事実。
こうして考えても、より短時間で車検を終わらせたいのであれば、指定工場を選択する方がよいのかもしれない。
ちなみに、ディーラーのほとんどはこの指定工場として認められているとのこと。
また、地元の工場はもちろん、最近では、ガソリンスタンドやカー用品店の中にも指定工場の資格を持つ事業所が増えてきているようだ。
終わりに
認証工場と指定工場の概要や、両者の違いをご理解いただけただろうか。
愛車を車検に出す際には、その工場が認証工場と指定工場のいずれに該当するのか、チェックしてみるとよいと思う。
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