路肩と路側帯の違いとは? 法律を調べると意外な事実が!?

“路肩”、“路側帯”と言う言葉こそ知っているものの、実際に道路のどの部分を意味するのかよく解らないと言う方も多いのではないだろうか。

今回はこの疑問を解決すべく、それぞれの定義や通行の可否、両者の違いを解説する。

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はじめに

“路肩”と“路側帯”はいずれも車道外側線(車両の進行方向の左端にある白線)の左側の部分であり、通常は車両が通行することがない場所のことを言う。

“車道外側線の左側”と言う意味で両者に違いがない一方、それぞれを定義付ける法律が異なるなど非常にややこしいのだが、本投稿では①路肩、②路側帯、③両者の見分け方と順を追って解説する。

路肩とは

法律上の路肩の定義は“道路構造令第2条第12号で確認することができる。

路肩

道路の主要構造部を保護し、又は、車道の効用を保つために、歩道、車道、自転車道または自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分を言う。

                   (道路構造令第2条第12号より)

同条文より、路肩の設置目的が①道路の主要構造部の保護と②車道の効用の保持にあることを理解できるものの、ここで言う“歩道、車道、自転車道、自転車歩行車道に接続して設けられる帯状の道路の部分”が実際に道路のどの部分に該当するのかが今ひとつ解り難いような…

この条文が示すのは路肩が車道外側線の左側の部分であることのみであり、さらに“路側帯”との違いもあって今ひとつ釈然としないが、具体的な路肩の場所については後述の“路肩と路側帯の違い”を参照されたい。

なお、“路肩”は道路の構造基準を定める“道路構造令”における概念であり、車両並びに歩行者の通行方法を規定する“道路交通法”に路肩の通行方法を直接規定する条文が存在しないことも重要なポイントである。

幅員

路肩の幅員は最大2.5m、最小0.5mだが、私が住む様な田舎では最小値が採用されるところが多いようにも思える。

詳細は以下の通り。

地域・交通量 路肩の広さ(m)
高速自動車道及び自動車専用道路 地方部 多い 2.5~1.75
少ない 1.75~1.25
都市部 1.25
一般道 地方部 特に多い 1.25~0.75
多い 0.75~0.5
少ない 0.5
都市部 0.5

自動車の通行禁止

車両制限令第9条道路交通法第17条第1項は、自動車が路肩を通行できないことを根拠付けるものである。

(路肩通行の制限)

歩道、自転車道、又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路を通行する自動車は、その車輪が路肩(路肩が明らかではない道路にあっては、路端から0.5メートル、橋又は高架の道路にあっては0.25メートルの部分)にはみ出してははならない。)

                        車両制限令第9条より

まずは車両制限令第9条であるが、その後段で自動車の車輪が路肩にはみ出すことを禁止する一方、前段に“歩道、自転車道、又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路を通行する自動車は”との文言があることから、意外にも歩道や自転車道が設けられている道路であれば路肩を通行しても構わないとの解釈ができてしまう。

しかしながら、道路交通法第17条第1項にて歩車道が区別される道路における車両(自動車)の車道通行が義務付けられるため、結局のところ自動車が車道外側線の左側の部分を通行することは許されず、自動車が路肩を通行することは不可能との結論に達するのだ。

なお、車両制限令第9条により自動車が路肩にはみ出す行為が禁止されるものの、今回調査した限り、路肩への駐車の可否並びに自転車の通行に直接言及する法律は見当たらなかった。

路側帯とは

続いて“路側帯”に話を移したいが、路肩と異なり、その根拠となる法律は“道路交通法”である(道路交通法第2条第3号の4”)。

路側帯

歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の道端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路表示によって区画されたものをいう。

                   (道路交通法第2条第3号の4より)

ここで言う道路表示とは車道外側線のことであり、その左側の部分が路側帯であると解釈できるが、単に車道外側線の左側の部分と言う意味では路肩との違いを見い出すことができないものの、“歩道の設けられていない又は道路の歩道の設けられていない側の…”との文言があることから路側帯が歩道のない道路に設けられることをご理解いただけるはず。

つまり、同じ車道外側線の左側の部分でも、そのさらに左側に歩道が設けられていればそこは路肩であり、歩道が設けられていない場合は路側帯なのだ

中々複雑な話であり、路側帯が路肩を含むのかどうかなど未だにはっきりしない点はあるものの、この“歩道の有無”が路肩と路側帯を見分ける上での1つの大きな目安となることは確かではないだろうか。

なお、路側帯の幅員は最小でも0.5mを確保することになっている。

通行の可否

路側帯は歩道と同じく歩行者の交通に供する場所であり、道路外の施設等に出入りする場合を除いて車両の通行は許されない。

よって、これに違反した場合は“通行区分違反”に問われるが、例え道路外の施設等に出入りするため路側帯を通過する場合にも、一時停止並びに歩行者の通行を妨害しないことが条件となるので十分な注意が必要だ(道路交通法第17条第2項)。

なお、軽車両(自転車)は路側帯を通行することができる。

駐停車

路側帯の内部への駐停車、路側帯を跨いでの駐停車は可能であるものの、言うまでもなくその場所が駐車並びに駐停車禁止場所でないことが条件である

実際に駐停車をする場合は道路の端から0.75メートルを空ける必要があり、例えばその路側帯の幅が0.5メートルの場合はそこからさらに0.25メートル右に左の車輪を合わせることになるが、路側帯は歩行者が通行するための場所であるから自動車の駐車によりそれが妨害されないための措置と考えてよいだろう。

もちろん、路側帯が広く設けられている場合は車両全体が路側帯の中に収まる可能性もあるが、いずれにせよ道路の端から0.75mを空けて駐車することがポイントだ。

なお、次の“路側帯の種類”でも解説する通り路側帯の種類によっては駐停車が禁止される場合もあるので注意が必要である。

路側帯の種類

驚かれる方も多いと思うが、路側帯にはいくつかの種類があり、白線による道路標示の違いでそれらを区別することができる。

通常、車道と路側帯を区画する車道外側線は1本の白線なのだが、白線の内側に破線が設けられている場合は路側帯の内側への駐停車禁止、二重実線の場合は自動車と自転車の通行並びに駐停車の禁止を意味するので十分に注意しよう。

路側帯のタイプ 通行 駐停車
自転車 自動車
白線 ×
白線の外に破線 × × ※1
白線2本 × × × ※2

※1、※2:駐停車する場合は車輪が路側帯に入らない様にしなければならない

見分け方

いずれも車道外側線の左側の部分であり、何かと紛らわしい路側帯と路肩だが、ここで改めて両者の見分け方を確認しておく。

と言っても細かいことを除けばその識別自体はさほど難しくなく、前述の通り道端側に歩道が設けられていれば路肩、歩道がない場合は路側帯と言う具合に、“歩道の有無”によって両者のどちらに該当するのかを判断すればよい

これに従い上の2つの画像を見てみると、右は道端に歩道が設けられているため車道外側線の外側の部分は路肩であり、左は歩道がないため路側帯に該当すると考えられるのだ。

まとめ

ここまで路肩と路側帯について解説してきたものの、非常に話が複雑で、今ひとつスッキリしないと言う方も多いと思うので、両者の違いや通行の可否など話を整理すべく表を作成した。

   概念の根拠となる法律  通行の可否 駐車の可否
自動車 軽車両 歩行者
路肩 道路構造法 × ※1 ※2 ◯ ※3  ◯ ※4
路側帯 道路交通法 × ※5 ◯ ※6 ◯ ※7  ◯ ※8
  • ※1:原則として車両制限令第9条、歩道が設けられている場合は道路交通法第17条第1項が通行禁止の根拠となる
  • ※2,※3,※4:法律による規定なし
  • ※5:道路交通法第17条第1項にて車両が車道を通行しなければならないことが規定
  • ※6:道路交通法第17条の2にて軽車両の路側帯通行の可が規定
  • ※7:道路交通法第2条第3号の4にて歩行者が路側帯を通行できる旨が明記
  • ※8:道路の端から0.75mを開けること、駐停車禁止場所、駐停車禁止路側帯でないことが条件

こうしてみると、①それぞれの概念を定義付ける法律が異なること、②自動車が路肩と路側帯のいずれも通行できないこと、③軽車両と歩行者は路肩と路側帯のいずれをも通行できることなどが明らかになるが、自動車については車道外側線の左側が路肩と路側帯のどちらに該当する場合にも通行が不可能なわけで、とにかく車道外側線の左にはみ出さないよう常に注意しなければならないと言える。

一方、自転車と歩行者は路側帯と路肩の両方とも通行が可能(歩道が設けられている場合はそちらを通行しなければならない)。

また、路肩も路側帯も原則として駐停車可能だが、言うまでもなくそこが駐停車禁止場所でないことが条件となるし、道路の端から0.75メートルを空けなければならない、路側帯の種類によっては駐停車が禁止される場合があるなど、注意すべき点が多いと言える。

まとめ
  • 路肩と路側帯は歩道の有無で区別することができる
  • 自動車は路肩も路側帯も通行できない
  • 軽車両(自転車)は路肩も路側帯も通行できる
  • 歩行者は路肩も路側帯も通行できる(歩道が設けられている場合はそちらを通行)
  • 路肩も路側帯も駐停車は可能だが、駐停車禁止場所や路側帯の種類に注意しなければならな

終わりに

“路肩”と“路側帯”の定義や通行規則、両者の違いをご理解いただけただろうか。

ご紹介した通り車道外側線の外側の部分がどちらに該当するのか識別することも可能だが、いずれも自動車の通行は許されないので、白線の外にはみ出さない様に注意しよう。

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コメント

  1. こと おおの より:

    最近疑問に思うことは、歩行者にとってどうなのか?ということです。
    路肩なのか路側帯なのか分かりませんが、そこには電柱があったり、面する店舗の看板、段差プレートがあり歩行の邪魔です。
    歩行者は路肩、路側帯より道路中央側を歩いて良いのでしょうか?その時、横を通る車両・系車両の守るべきルールは何でしょうか。

  2. 湯豆腐 より:

    路肩部分についての解説で下記の様に説明されておりますが、「車道通行」のところに誤認があるように思います。

    「道路交通法第17条第1項にて歩車道が区別される道路における車両(自動車)の車道通行が義務付けられるため、結局のところ自動車が車道外側線の左側の部分を通行することは許されず、自動車が路肩を通行することは不可能」

    車道の範囲ですが、歩道のある道路では車道外側線の左側部分(路肩)は車道に含まれます。(下記神奈川県警の解説をご参照下さい。)
    http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0178.htm

    そのため、自動車が路肩(歩道のある道路の車道外側線の左側部分)を走行することを禁止する法規定は無いように見受けられます。

    • でみすけ より:

      コメントありがとうございます。これは興味深いですね。この種の問題は交通法規の中でもかなり難しい部類と存じますが、当方もさらに調査研究を進めてみたいと思います。湯豆腐さんが新たな発見をされた場合は是非ご意見を頂戴できますと助かります。よろしくお願いいたします。