最近非常に人気が高まっていると言われる小型SUVだが、今回はその人気車種4台を比べてみることにした。
各社を代表する小型SUVのサイズや燃費性能を比較するので、ぜひ最後までお読みいただければと思う。
SUVとは
SUVと言う言葉自体は頻繁に耳にするが、その定義を正しく理解している人は少ないと言われている。
私もその中の1人だが、調べてみると、“Sports Utility Vehicle”の略称が“SUV”らしい。
日本語にすると、“スポーツ用の万能な乗り物”と言う意味になるが、ますますわかり難いような…。
”車高が高くて車輪が大きい車”と定義付ける声もあるようだが、こればかりは理屈を並べるよりも、“CX-3やCH-Rのような形状の車”と覚えた方が良いと思う。
本投稿ではこれらの小型SUVの画像を添付しているので、ぜひ参考にしていただきたい。
比較対象車
今回比較するのは以下に列挙する4台だが、いずれもコンパクトSUVと呼ばれる車であり、それぞれがライバル同士でもある。
- ヴェゼル(ホンダ)
- CX-3(マツダ)
- CH-R(トヨタ)
- ジューク(日産)
ヴェゼル
※ 画像はホンダ様ホームページ(http://www.honda.co.jp/VEZEL/webcatalog/styling/design/)より引用
現在最も売れているコンパクトSUVがこのヴェゼルだが、走りの良さと実用性が高く評価されている。
ガソリン車とハイブリッド車と異なるパワートレーンが用意されることも、ユーザーにとっては嬉しいところだ。
ガソリン車が1,920,000円から、ハイブリッド車は2,270,000円から入手可能である。
CX-3
※ 画像はマツダ様ホームページ(http://www.mazda.co.jp/cars/cx-3/feature/design/?link_id=sbnv)より引用
2015年3月、マツダが満を持して小型SUV市場に投入したのがこのCX-3である。
外観・内装ともに洗練された素晴らしいデザインが特徴だが、マツダが誇る小型ディーゼルエンジンが搭載されている点も見逃せない。
私も何度となく試乗してるが、本当にいい車だと思う。
ガソリン車はなく、ディーゼルモデルのみが販売されるが、2376,000円から購入することができる。
CH-R
※ 画像はトヨタ様ホームページ(http://toyota.jp/c-hr/exterior/?padid=ag341_from_chr_navi_exterior)より引用
こちらは2016年12月に販売が開始されたばかりのトヨタの小型SUVだが、これまでになかった斬新的なデザインが特徴だ。
CX-3やヴェゼル等の強力なライバル車が存在する市場に満を持して投入されたことからも、この車に対するトヨタの自信と、小型SUVの人気を知ることができる。
最も安いモデルで2,516,400円と、他の3車に比べて強気の価格設定と言えるかもしれない。
ジューク
※ 画像は日産様ホームページ(http://www2.nissan.co.jp/JUKE/exterior_color.html)より引用
こちらは日産のコンパクトSUVであり、何と言ってもその独特な外観が印象的である。
私の近所にもこの車を所有している方がいるのだが、やはりインパクトは大きく、すれ違うとすぐにジュークだとわかってしまう。
最も安いモデルの価格は1,975,320円と比較的安いものの、多くのグレードが設けられており、最上位モデルは3,468,960円とかなりの額である。
ボディサイズ
まずは4車のボディサイズを比較してみたいが、具体的な数値は下の表にある通り。
同じコンパクトSUVとは言え、全長と全幅がそれぞれ微妙に異なることをご理解いただけると思う。
CX-3 | CH-R | ヴェゼル | ジューク | |
全長(mm) | 4,275 | 4,360 | 4,295 | 4,135 |
全幅(mm) | 1,765 | 1,795 | 1,770 | 1,765 |
全高(mm) | 1,550 | 1,550 | 1,605 | 1,565 |
全長はCH-R(4,360mm)が最も長く、ジューク(4,135mm)が最も短いが、その差は何と約23センチもある。
全幅もCH-R(1,795mm)が最も大きく、最も小さいCX-3とヴェゼルとの差は約3センチ。
取り回しの良さではジュークが1番と思われるが、ヴェゼルやCX-3と比較しても10センチ以上も全長が短く、車庫入れや切り返しを楽に行うことができるはずだ。
最もサイズが大きいCH-Rの全幅はクラウンとほぼ同じ大きさであり、“コンパクト”と表現するのは少々難しいかもしれない。
実際に試乗した時も車幅が大きく、左前の感覚を掴むのが難しい印象を受けたため、取り回しの良さでは他の車に劣るように思われる。
居住性
続いては居住性だが、各車の室内の広さをまとめた表を下に載せた。
室内長は圧倒的にヴェゼルが広く、ジュークよりも約10センチ、CX-3よりも12センチもゆとりがある。
室内幅もヴェゼルが最も広く、居住性ではヴェゼルの圧勝と言っても良いくらいだが、ボディが最も小さいジュークがこれに続く。
スペース効率が良い理想的な設計を実現している点は高く評価できるが、ボディが最も大きいはずのCH-Rよりも広いではないか。
CX-3 | CH-R | ヴェゼル | ジューク | |
室内長(mm) | 1,810 | 1,800 | 1,930 | 1,835 |
室内幅(mm) | 1,435 | 1,455 | 1,485 | 1,470 |
室内高(mm) | 1,210 | 1,210 | 1,265 | 1,215 |
CH-Rはボディが大きい割に室内の広さはさほどでもなく、”狭い”と言われるCX-3とほぼ同じくらいである。
実車を見ても広いと言う印象は受けないものの、CX-3とCH-Rともにレザーシートの座り心地が抜群に良いため、実際の居住性はそこまで悪くないはずだ。
燃費
燃費性能では、やはりハイブリッドモデルを擁するヴェゼルとCH-Rが他をリードしている。
ガソリン車のみのジュークの場合、1.5モデルでも実燃費は12km/L前後だろうし、1.6ターボモデルでは10km/Lを割るだろうから、少々目劣りしてしまう。
23km/Lと数字ではCH-Rやヴェゼルに及ばないCX-3だが、最近のマツダのエンジンは公表値と実燃費の差が極めて小さく、時に実燃費の方が良い場合もあるほど。
軽油代がガソリンよりも安いこともあり、実際の燃料代の負担は、CH-Rやヴェゼルと同等もしくはそれ以上に少ないはずだ。
車種 | 燃費(km/L) | |
CX-3 | 23.0 | |
CX-R | ハイブリッド | 30.2 |
1.2Lターボ | 15.4 | |
ヴェゼル | ガソリン車 | 20.6 |
ハイブリッド | 23.4~27 | |
ジューク | 1.5L NA | 18.0 |
1.6L ターボ | 14.2 |
デザイン
こちらも重要な要素であるデザインだが、CX-3とCH-Rがヴェゼルとジュークをリードしているように思われる。
CX-3は外観、内装ともに申し分のない質感を誇るし、CH-Rは外観こそ賛否が分かれるものの、内装の質感が素晴らしく、CX-3を凌ぐと言っても過言でないほど。
一方、ジュークの外観はあまりにも個性的過ぎるし、内装も平凡。
ヴェゼルも、酷評されることが多い最近のホンダのデザインの域を抜け出すことはできていないようだし、内装もCX-3やCH-Rと比べると見劣りする感は否めない。
もちろん、デザインの良し悪しについては個人的な主観によるところが大きく、様々な考え方があると思うので、最終的には購入する方が判断されるべきことではあるが…。
安全性能
最近の自動車には、先行車両や歩行者と衝突する恐れがある場合に車が自動で制動力を発揮してくれる衝突被害軽減ブレーキ、いわゆる自動ブレーキシステムが搭載されている。
その他、車線の逸脱を警告・修正してくれる機能や、自動で先行車両との車間距離を調節してくれる機能(クルーズコントロール)等の登場も見逃せない。
中でも、衝突被害軽減ブレーキと車線逸脱警報システムの2つは特に重要だが、4車全てがこれらの機能を搭載するので、万が一場合のリスク軽減を期待できるはずだ。
原則として4車ともこれらの機能が標準装備されるが、ヴェゼルの場合はベースグレードへの搭載がオプションとなるので注意していただきたい。
CX-3 | CH−R | ヴェゼル | ジューク | |
衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
車線逸脱警報システム | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
自動ブレーキの精度
各社の自動ブレーキの精度が気になるところだが、CX-3には最新の性能テストで最高評価を得たアクセラと同じシステムが搭載される。
その実力は、安全性能の最先端を走り続けてきたスバルに追い付いたと言っても過言でなく、かなり信頼できるはずだ。
同テストでは、以前はスバルに大きく水を空けられていたトヨタ車の自動ブレーキ性能の大幅な向上も確認されており、こちらの信頼性も申し分ない。
一方、その性能を最も不安視されているのがホンダの自動ブレーキシステムだが、2014年に行われた性能実験でヴェゼルが軽自動車よりもひどい結果に終わったことはご周知の通り。
最新の実験でもホンダの自動ブレーキに対する評価は高くないが、ヴェゼルのパフォーマンスは当時よりも圧倒的に改善されているため、過度な心配は無用に思われる。
なお、日産の自動ブレーキに対する確実な情報は知らないが、自動運転を前面に押し出していることからも、一定の性能を有すると考えてよいのではないだろうか。
終わりに
ボディサイズや燃費性能など、各社を代表する小型SUV車の特徴や違いをご理解いただけただろうか。
実際にこれらの小型SUV車の購入を検討されている方には、実際に試乗することはもちろん、十分に検討の後、後悔しないような選択をしていただきたいと思う。
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