“更新時講習”や“停止処分者講習”など、運転者に対する講習が数種類存在することはご周知の通りであるが、今回は“取消処分者講習”に注目してみたい。
その概要や講習内容など詳細に解説するので、ぜひ最後までお読みいただければと思う。
概要
取消処分者講習とは運転免許の取り消し処分を受けた者を対象とする講習であり、運転態度や心構えを再確認することで受講者の免許再取得を可能にすることを目的として行われる。
運転免許試験を受ける前に必ずこの講習を受けなければならないこともあり、免許の再取得を目指す方にとっては重要な意味を持つと言ってよいだろう。
申し込み・受講場所
取消処分者講習を受けるには居住地を管轄する運転免許センターに連絡をし、受講の申し込みを行う必要がある。
電話での予約が可能だが、もちろん、直接センターに出向いて窓口で申請をしても構わない。
講習は免許センターや運転免許試験場の他、各都道府県公安委員会が指定する教習所で行われる場合もあるが、原則として最寄りの場所が選択されると考えてよいだろう。
持ち物
取消処分者講習を受講するにあたり必要な持ち物は以下の通り。
特別のことはないが、運転に適した服装で講習に臨む必要があり、当然のことながらサンダルやハイヒールを履いての参加は厳禁である。
- 終了証明書用の写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm/講習場所で撮影できる場合もある)
- 住民票(本籍地記載/6ヶ月以内に撮影されたもの)
- 印鑑
- 仮免許証(取得している場合のみ)
- 講習手数料
手数料
講習手数料は30,550円で、講習1日目の受付時に納入する。
金額は全国共通で間違いないと思われるが、念のため申し込み前に各都道府県警察に問い合わせておくとよいだろう。
日程・所要時間
取消処分者講習は2日間連続して行われ、1日目7時間、2日目6時間の計13時間の講習を受けなければならない。
長時間の参加が義務付けられることは気の毒だが、これを受講することになった経緯を考えれば、軽々に不満を言うことはできないはずだ。
なお、1日目を受講せず2日目の講習に参加することは不可能である。
内容
講習では①適性検査や②性格と運転についての講義、③実車を使っての指導、④危険予知運転についての解説、⑤グループディスカッション等が行われる。
単に内容だけを見れば免許更新時に受講する更新時講習とそれほど変わらないようにも思えるが、13時間もの講習時間が設けられていることや、免許の取消と言う最も厳しい処分を受けた者を対象とすることを考えれば、より念入りに講義が行われるはずだ。
いずれにせよ、真剣に受講しなければならないことは言うまでもない話である。
- 適性検査
- 講義
- 実車での指導
- グループディスカッション
受講終了後
取消処分者講習の受講を終了した者には“取消処分者講習終了証書”が交付されるが、この証書の効力を持って運転免許試験を受けることができる。
ただし、有効期限が1年間であるため、運転免許を再取得するにはその期間内に試験に合格しなければならない。
また、免許の欠格期間が残っている場合はそれが終了するまで免許試験を受験できないため、タイミングを誤って取消処分者講習を受講すると先に取消処分者講習終了証書の効力が消滅してしまい、受講手数料や労力が全て無駄になる可能性もあるので注意が必要だ。
終わりに
取消処分者講習についてご理解いただけただろうか。
計13時間に及ぶ長時間講習であり、これを受講したいと思う人はいないと思うが、であるからこそ交通規則を厳守し、安全運転に努めることが何よりも大切なのである。
コメント