“バッテリーが上がる”という表現をよく耳にするが、具体的にどのような状態のことを言うのかよく分からない人も少なくないと聞く。
そこで今回は、その原因や症状、対処法について投稿してみたいと思う。
はじめに
はじめに、“バッテリーが上がる”とはどのような状態のことを言うのかを確認したい。
簡単に言えば、これは、“車のバッテリーに蓄えられた電力が完全になくなってしまうこと”を言う。
バッテリーとは言うまでもなく電池のことであり、自動車のヘッドライトやオーディオ、エアコンなどがここに蓄えられた電力を利用して稼働することを、覚えておいて欲しい。
原因
バッテリーが上がる原因のほとんどは、エンジンを切った状態で電力を消費してしまうことにある。
と言うのも、走行中などエンジンが稼働中は、その力で“オルタネーター”と呼ばれる発電機を動かし、常に電力を発生させているのだ。
エンジンが動いている状態であればその電力が直接利用されるし、余分な電力はバッテリーへ蓄えられることになる。
よって、エンジン稼働中にバッテリーが上がることはまずありえないと考えてよい。
ところが、エンジンが停止しているとなれば発電が行われないわけで、その状態で電力を消費し続ければ、バッテリーに蓄えた電力が尽きてしまうことは当然のことなのだ。
各種機能と電力消費
各種機能の消費電力が気になるが、多くの電力を必要とするものとしては、やはりエアコンがある。
また、ヘッドライトの消費電力もとても多く、3~5時間ほどでバッテリーの電力を使い切ってしまうらしい。
もちろん、バッテリー自体の容量や消耗の程度によってその時間は変動するのだが、車を離れる際にヘッドライトを消し忘れたりすると大変なことになってしまうのだ。
その他、ブレーキランプやワイパーも意外に電力消費が多いとされている。
ちなみに、室内灯についてはその消費量は少ないらしく、過去に一晩中これを付けっ放しにしてしまったことが何度もあるが、バッテリーが上がったことは一度もない。
- ヘッドライト
- エアコン
- ブレーキランプ
- デフォッガー
- オーディオ
- ワイパー
症状
バッテリーが上がった場合には、エンジンがかからなくなる。
いたってシンプルでわかりやすいのだが、エンジンを始動させようと思っても車が反応しないためにすぐにバッテリー上がりだとわかるのだ。
ほとんどの自動車は、エンジンを始動させるために“セルモーター”と呼ばれる機会を動かすのだが、これにはバッテリーの電力を利用している。
よって、そのバッテリーが空になった状態ではこれを動かすことができないのだから、エンジンがかからないことは言うまでもない。
対処法
万が一バッテリーが上がってしまった場合は、空になった電力を充電すること以外に解決策はない。
しかしながら、エンジン自体が動かないのだから、オルタネーターを動かして発電することが不可能。
そこで、“ジャンピングスタート”と呼ばれる方法が用いられることが一般的だ。
これは、“別の車の電力を使うことでバッテリーが上がった車のエンジンを始動させる方法”のことを言う。
車と車をケーブルで繋いで何やら行っている光景を目にしたことがあるかと思うが、まさにそれがジャンピングスタートなのだ。
これを行うためにも、車内には、必ず“ブースターケーブル”を携帯しておくようにしよう。
ケーブルの繋ぎ方
肝心のケーブルの繋ぎ方だが、はじめに、ブースターケーブルの両端にクリップが2つずつ付いていることを確認して欲しい。
それぞれプラスとマイナスの異なる電極を持つのだが、プラスが赤色、マイナスが黒色と色による区別がなされている。
これを、故障車と救援車のそれぞれのバッテリーの端子に繋いでいくのだ。
その順序も重要で、①故障車のプラス→②救援車のプラス→③救援車のマイナス→④故障車のマイナスの順にケーブルを繋ぐことを覚えておいて欲しい。
①〜③については、それぞれの車両のバッテリーの端子にケーブルを繋げばよいのだが、④は別の場所にあるので注意が必要だ。
大抵はエンジンの金属部分なのだが、車によってはエンジンから離れた場所に接続しなければならないこともあるので、必ず取扱説明書を確認するようにしよう。
無事に接続が済んだら、救援車のエンジンを始動させ、2,000~3,000回転を目安にエンジンを回す。
そして、バッテリーが上がってしまった車両のエンジンをかけてみて、無事にエンジンが始動すればとりあえずは成功だ。
後は、繋いだ時と逆の順番でケーブルを取り外せばよいのだが、バッテリーが上がってしまった車も、自身の力で発電が開始されるためので電力は充電されていく。
ただし、バッテリー自体が消耗しきっている場合やオルタネーターに異常がある場合は、発電が上手できず、再びエンジンが停止することもある。
よって、しばらくは様子を注視する必要があると思う。
- バッテリー上がりの車のプラス
- 救援車のプラス
- 救援車のマイナス
- バッテリー上がり車のマイナス(バッテリー端子ではなくエンジンの金属部分)
終わりに
自動車の機能の中には、想像以上に多くの電力を消費するものもあり、思いもよらぬ時にバッテリーが上がってしまう可能性も否定できない。
万が一の場合にも、正しい解決方法を理解し、冷静に対処するようにしよう。
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