車にGPS計測器を取り付けている人であればご存知だと思うが、車のスピードメーターの速度表示との間にズレが生じてしまう。
車の速度計に多少の誤差があるらしいが、実際の速度とのズレはどれくらいなのだろうか。
誤差
車の速度計は、実際の走行速度よりも約5km/h速く表示されることが多い。
GPS計測器の速度表示と比較するとよくわかるのだが、GPSは誤差がゼロと言ってもよいほどの精度を誇るため、実速との差と考えて問題いないだろう。
ポイントは、スピードメーターの数字が実際の速度よりも速く表示されることである。
言い換えれば、“メーターが示すほど実際の速度は出ていない”ことになるが、これはやはり、安全を考慮してのことだと思う。
仮に、メーター表示よりも実際の走行速度が速いとなれば、知らぬ間に速度超過を犯してしまうわけで、危険極まりないことは言うまでもない。
その逆であればデメリットはなく、安全運転に貢献することにもなるのだ。
許容範囲
タイヤサイズや空気圧の変化の影響も受けることから、スピードメーターに多少の誤差が生じることは致し方ないことでもある。
よって、自動車の速度計の誤差には、ある程度の許容範囲が設けられているのだ。
車両の保安基準を規定している“道路運送車両の保安基準を定める告示第148条”にその規定があるのだが、簡単に説明すると以下のようになる。
車のメーター表示(km/h) | 基準に合格する実際の速度(km/h) |
40 | 30.9~42.55 |
メーター速度が40km/hを指している場合、実際の速度が“30.9~42.55km/h”の範囲に収まれば、基準をクリアすることが可能。
車検の検査場でもしっかりとこれがテストされ、メーター表示と実速との差がこの範囲内であれば、合格となるのだ。
注目すべきは、メーター表示に対するプラスの誤差が2.55km/hしか許されないことである。
先述の通り、実際の走行速度が速度計の数字よりも速くなってしまうことは許されないわけで、極めて理想的な基準の設定と言えるだろう。
各メーカーの精度
速度計との誤差は、メーカーごとにも異なるようだ。
ある自動車評論家が、走行テストの中でメーター表示速度の誤差に触れていたのだが、そこでは、マツダ車とスズキ車が比較されていた。
メーター表示が100km/hの状態で走行し、GPS機器の速度表示と比較したらしいのだが、結果は以下の通りらしい。
自動車の速度計の表示(km/h) | GPS計測器の速度表示(km/h) | 誤差(km/h) | |
マツダ・アクセラ | 100 | 97 | 3 |
スズキ・アルトターボ | 92 | 8 |
アクセラのメーター表示速度とGPS機器との差が3%なのに対し、アルトターボは8%であり、かなり精度に違いあることがわかる。
技術的な問題なのか、各社それぞれ考え方が異なり、あえてこのようなチューニングがなされているのかは不明だが、メーカーごとに差があることは確かだ。
マツダユーザーとしては、マツダ車の速度計の正確さは嬉しいところだが・・・。
終わりに
全ての車が、速度計が示すよりも実際の走行速度が遅くなるように設計されていると考えて間違いないと思われる。
これが安全を考慮してのことであることを忘れず、適切な速度コントロールを実践するようにしよう。
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