最近ではほとんどの車にアイドリングストップ機能が搭載されるが、燃費向上のメリットのみならず、意外な問題点があることをご存知だろうか。
今回は、私の経験も踏まえ、アイドリングストップのデメリットについて投稿したい。
はじめに
車が停止すると同時にエンジンも自動で停止する仕組みを、アイドリングストップと言う。
特別な操作は一切不要で、停止後、ブレーキペダルを強めに踏み込むだけでエンジンを停止させることができる。
中には、車が完全に停止する前の段階、具体的には一定の速度まで減速した時点でエンジンが停止するものもあるようだ。
この機能の目的はもちろん、燃料の節約による燃費の向上であるが、アイドリング時の無駄な燃料消費を抑えることができるので、その効果は大きいと言える。
デメリット
よいことばかりと思われがちなアイドリングストップ機能だが、実はデメリットもある。
①エアコンが効かない、②逆に燃費が悪化する、③バッテリーの劣化が進むなどの問題点が指摘されているようだが、詳細は続きを読んで欲しい。
- エアコンが効かなくなる
- 燃費が悪化する
- バッテリーの劣化が進む
エアコンの効果半減
エアコンの効果が半減してしまうことは、アイドリングストップの問題点の1つだ。
冷風をつくるにはコンプレッサーを稼働させる必要があるが、エンジンの出力がその動力源となる。
しかしながら、アイドリングストップによりエンジンが停止してしまうのだから、どうなるかは簡単に想像できるはず。
言うまでもなく、冷風が生ぬるい風に変わってしまうのだ・・・。
最近では、極力これを抑える努力がなされているようだが、夏場の猛暑時にはさすがに厳しいものがあり、とても耐えられるものではない。
この点では、大容量バッテリーからの電力でコンプレッサーを稼働させるハイブリッド車には及ばないようだ。
なお、車内の温度をセンサーが感知し、必要な場合には自動でアイドリングストップが解除され、エアコンが稼働するシステムを採用する車もある。
こちらであれば、特に不満は出ないと思う。
燃料の悪化
アイドリングストップで燃料の節約ができると考える人が多いが、その逆のケースもある。
と言うのも、エンジンを再始動させるためにも燃料を必要とするため、エンジン停止で節約した分以上の燃料を消費してしまう可能性もあるのだ。
一般的には、アイドリングストップの時間が5秒以下の場合は、燃料の消費が節約を上回ると言われている。
よって、すぐにエンジンが再始動するような場面では、アイドリングストップを行わない方がよいかもしれない。
アイドリングストップ時間が5秒を超えて初めて燃料の節約が可能であることを、覚えておいて欲しいと思う。
バッテリーの劣化
これが最大のデメリットだと思うが、アイドリングストップ機能により、バッテリーの劣化が促進される恐れがあるのだ。
自動車では、エンジン稼働中にはその出力を電力に変換して電気系統に供給しているのだが、アイドリングストップ中にはこれができず、バッテリーに蓄えた電力が使われる。
ところが、ヘッドライトやオーディオが消費する電力は想像以上に大きく、バッテリーの電力が著しく消費されてしまうことに・・・。
エンジンを始動させる機械であるセルモーターを動かすにも電力を必要とするが、アイドリングストップを多用すれば、その消費量も著しく増大してしまう。
これが原因で常にバッテリーに大きな負担がかかり、その消耗、劣化が加速してしまうのだ。
私のデミオにもアイドリングストップが付いているが、12ヶ月の点検の時点で、バッテリーの性能が50%まで低下していた。
購入後、1年しか経過していないのだが・・・。
アイドリングストップ搭載車には、通常よりもかなり大きな容量のバッテリーが使われるのだが、それでも結果はこの通り。
それでいて、バッテリーの性能を上げている分、交換費用は高額になると言うのだからどうしようもない。
ちなみに、マツダの見積もりでは約3万円とのこと。
バッテリーの交換費用が燃料代の節約分を上回ってしまう可能性すらあるわけだから、安易にアイドリングストップのメリットだけを持ち上げることは適切ではないと思う。
終わりに
アイドリングストップに意外な問題点があることを、ご理解いただけただろうか。
先進的機能と謳われ、多くの車にこれが搭載されているが、もしかすると、ユーザーにとってはデメリットの方が多いのかもしれない。
コメント