MT車にエンストは付きものとも言えるが、何と、オートマ(AT)車がエンストすることもあるらしい。
早速、その症状や原因について投稿したいと思う。
はじめに
AT車のエンストと聞いてもイメージし難いと思うが、実際にトラブルも報告されている。
国土交通省の広報によれば、平成23年~平成25年の3年間で、エンストまたはエンジン停止によるブレーキ、パワステの失陥と推定されるトラブルが111件報告されているらしい。
詳細は、以下を参照されたい。
症状
エンストにより、走行中にエンジンが停止することで、ブレーキやステアリング操作に支障が生じてしまう。
ステアリング操作を補助してくれるパワステやフットブレーキの油圧システムは、エンジンが動いて始めて正常に動作する仕組みになっているからだ。
よって、ブレーキの効きが著しく減少する、ステアリングが重くなるなどの症状に見舞われ、非常に危険な状態に陥ることが予想される。
原因
操作ミス
MT車の場合、アクセル開度とクラッチのつなぎ方の微妙なバランスによりエンストが起こることがあり、運転が苦手な人にとっては悩ましい問題である。
それに対して、AT車でエンストが起こる場合は、より単純な操作ミスであることが多い。
具体的には、シフトレバーで選択したギアの進行方向と逆の方向へ車が動いてしまった場合にエンストが起こるようだ。
例を言えば、ドライビングポジションをDに入れた状態で後退した場合、その逆で、Rに入れた状態で前進してしまった場合がこれに該当する。
とは言え、かなりの急勾配勾でもなければこのようなことが起こることは考え難い。
少なくとも、MT車でのエンストと比較すれば、起こり得る確率が圧倒的に低いことに間違いはなさそうだ。
システム始動の失敗
操作ミスと呼んでよいかどうかはわからないが、はじめからエンジンが始動していないケースもあるようだ。
最近の車にはプッシュボタン式スタートシステムが採用されているが、ボタンの押し加減次第ではエンジンが上手くかからないこともある。
それに気が付かず、運転を始めてしまう人がいるらしいのだ。
いずれのケースであっても平地では車が前に進むことはないが、下り勾配であれば惰性で進んでしまうことも・・・。
ところが、エンジンが停止しているため、ブレーキやパワステの効きが十分ではなく、そのまま走り続ければ大変危険な状態に陥ることは言うまでもない。
技術の進歩は歓迎すべきことだが、システムが複雑になったことによるトラブルが生じる恐れもあることを、覚えておく必要があるのだと思う。
故障
操作ミスなど、特別なことがないにも関わらずエンストが起こるとすれば、いずれかの機器の故障が疑われる。
エンジンがガタガタしながら停止した場合には燃焼系の故障、アクセルを強く踏み込むと同時にエンストするようであれば、センサー系統のトラブルである蓋然性が高いようだ。
症状 | 疑われる故障 |
スーッとエンジンが停止 | 点火系の故障 |
エンジンがガタついた後に停止 | 燃焼系のトラブル |
アクセルを踏み込むとエンジンが停止 | 燃料センサー系のトラブル |
対処法
エンストしてしまっても決して焦らないことが重要だ。
パワステやブレーキシステムが正常に機能しなくなり、ハンドルやブレーキペダルが重くなってしまうが、冷静さを保つように努めなければならない。
その上で、ブレーキペダル、ステアリングともに普段よりも強い力で操作するようにしよう。
車を停止させることができたら再びエンジンを始動させ、上手く行けばそのまま走行して様子を見る。
エンジンがかからなければいずれかが故障している確率が高いので、ディーラーやJAFに連絡するなど対応が必要だ。
終わりに
AT車もエンストする可能性があることをご理解いただけただろうか。
仮にエンストしてしまった場合にも、冷静さを失うことなく、適切な操作を行いたいところだである。
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