一般道にも最低速度があるって本当? その標識はどこにある!?

一般道の最低速度

最高速度を上回る速度で走行することは許されず、“スピード違反”で検挙の対象となることは言うまでもないが、今回はその反対の“最低速度”について投稿する。

疑問に思われる方が多いと言われる一般道での最低速度の適用状況についても解説しているので、是非最後までお読みいただければと思う。

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最低速度とは

“最低速度”とは自動車が出さなければならない最低の速度のことを言うが、高速道路における法定最低速度(道路標識等による速度指定がない場所での最低速度)の下限が50km/hであることはご周知の通りである。

(最低速度)

自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(法令で定めるものを除く。)においては、道路標識等に自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない。

                        道路交通法第75条の4より

ただし、法定最低速度が制定されているのは高速道路の本線上で対面通行でない区間のみであり、一般道はじめその他の道路においてはその規定がない

よって、それらの道路を通行する車両は、道路標識等により最低速度が指定されている場合のみそれに従う義務を負う。

法定最低速度
  • 高速道路本線において対面通行でない区間:50km/h
  • その他の道路:規定なし

一般道での最低速度

(最低速度)

自動車は、道路標識等によりその最低速度が表示されている道路(第75条の4に規定する高速自動車国道の本線車道を除く。)においては、法令の規定により速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その最低速度に達しない速度で進行してはならない。

                          道路交通法第23条より

既に述べた通り一般道においては法定最低速度の規定がないが、道路標識等による速度の指定が行われている場合にはその下限を下回らない速度で通行しなければならない

ただし、最低速度の指定があるのは自動車専用道路一般国道自動車専用道路など、厳密には一般道に分類されるものの事実上は高速道路と同等の交通状況である道路に限られる。

高速道路・自動車専用道路・高速自動車国道の違いって何だ!?
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違反した場合

高速自動車道の本線で対面通行ではない区間及びその他の道路において道路標識等による最低速度の指定が行われている状況で、それに達しない速度で通行した場合には交通違反に問われるが、反則行為名は最低速度違である。

点数や罰則等の処分については、下の表をご確認いただきたい。

反則行為行政処分刑事処分
点数反則金(円)罰則
大型普通2輪原付
最低速度違反一般道なし
高速道(自動車専用道路を含む)1点7,0006,0006,0005,0005万円以下の罰金

取り締まりの状況

取り締まりの状況も気になるところではあるが、高速道路や自動車専用道路ではその対象となることがあるようで、実際に検挙された例も確認できる。

法律違反であることはもちろん、多くの車両が100km/hに達する速度で通行する状況において50km/hに満たない速度で通行する車両がいては危険極まりないことであり、検挙されることにも納得できてしまう。

一方、市街地などの一般道で最低速度違反に問われることはないと考えてよいが、周囲の車両に迷惑をかけていることが明らかな場合やわざと遅い速度で走行していると判断された場合には全運転義務違反に問われる可能性を否定できないので、注意が必要である。

標識の場所

“最低速度を指定する標識が一体どこにあるのか”と疑問に思われる方多いと思うが、先に述べた通り、一般道で最低速度の指定が行われるのは自動車専用道路や一般国道自動車専用道路に限られるため、街中や郊外道路でその標識を見かけることはまずないはずだ。

一方、事実上の高速道路である自動車専用道路や一般国道自動車専用道路では50km/hの最低速度を指定している区間が多く、私が日頃利用する自動車道でもその標識を目にすることができる。

現実としては以上のような状況であるが、万が一純粋な一般道で最低速度を指定する道路標識を見かけた場合には、是非その旨をご報告いただければと思う。

終わりに

最低速度の概要と一般道での適用状況についてご理解いただけただろうか。

市街地や街中を走行する上では気にする必要はないものの、高速道路や自動車専用道路を通行する場合にはその最低速度を下回ることがないように注意しよう。

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