交通事故で逮捕されることも!? 逮捕基準と事故後の流れを解説!

パトカー

交通事故のニュースが耳に入り大変残念に思うことも少なくないが、運転手が逮捕されることも多いと聞く。

一方で逮捕されない場合もあるわけだが、今回はその逮捕基準について投稿しようと思う。

スポンサーリンク

はじめに

交通事故

はじめに、交通事故も刑事事件として立件される可能性があることを確認しておきたい。

単に物が壊れるだけの物損事故であれば話は別だが、人身事故が発生した場合は、それが刑事事件として処理されるのだ。

捜査、裁判を経て当事者の罪が確定すれば、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律を根拠に刑事処分を受けることに。

刑事事件である以上、交通事故を起こした当事者は被疑者であり、場合によっては逮捕されても何ら不思議はないのである。

逮捕

続いては、逮捕”について確認することにする。

多くの方はご存知だと思うが、逮捕とは、被疑者の逃亡及び証拠隠滅を防ぐことを目的にその身柄を強制的に拘束することを言う。

逮捕の種類は、通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕の3種類だが、詳細は以下のページで確認して欲しい。

逮捕と検挙の違いって何!? それぞれの意味・内容を解説!
...

何よりも重要なことは、①犯人の逃亡と②証拠隠滅の防止を目的として逮捕が行われることである。

言い換えれば、この2つが起こる蓋然性が高いと判断される場合には、逮捕が行われると考えてよいはずだ。

逮捕の目的
  • 被疑者の逃亡の防止
  • 被疑者による証拠隠滅の防止

逮捕基準

交通事故の被疑者の逮捕について明確な基準が設けられていて、それが一般に公表されているわけではない。

よって、やはり、現場の警察官の裁量によりその決定が下されるものと考えられる。

もちろん、犯人の逃亡と証拠隠滅の可能性の有無が判断の根底にあることは間違いないと考えてよいと思う。

具体的に言えば、被疑者が危険運転を行った場合事故の規模が大きい場合ひき逃げ事件では、被疑者が逮捕される蓋然性が高まるようだ。

被疑者が逮捕される確率が高い場合
  • 危険運転による事故の場合
  • 事故の規模が大きい場合
  • ひき逃げ事件(救護義務違反)

危険運転

危険運転致死傷罪が適用されるような危険行為により交通事故を起こした場合、犯人が逮捕される蓋然性は極めて高い。

それだけ重大な犯罪を犯した可能性があるわけで、当然といえば当然であるとも言える。

また、過度の速度超過や集団暴走、煽り運転などの危険行為は、集団で行われることも少なくなく、仲間に働きかけることによる証拠隠滅の可能性を否定できない

よって、このようなケースでも逮捕に踏み切ることがあるようだ。

事故の程度

被害者の怪我の程度が大きい場合や死亡者がいる場合、多くの車を巻き込む大事故に発展した場合も、当事者が逮捕される確率が上がるとされている。

それだけ大きな事件であれば、被疑者が自身の境遇を憂慮するあまり、逃亡や証拠隠滅を図る可能性を否定できないからだ。

確かに、合理的判断であるように思われる。

救護義務違反

救護義務違反、すなわち“ひき逃げ”を行った場合は、間違いなく逮捕される。

被害者の救護を行わずに逃亡する行為は悪質極まりないし、現場から逃げること自体が最大の証拠隠滅行為であるからだ。

万が一交通事故を起こしてしまっても、これだけは絶対にやってはならないのである。

逮捕後の流れ

裁判所

交通事故で逮捕された場合も、その他刑事事件と同じ流れで処理される。

よって、逮捕後48時間以内に身柄が送検され、そこから勾留期間を経て、起訴・不起訴処分のいずれかが決定されるというわけだ。

勾留期限は10日間だが、延長手続がなされればさらに10日間勾留され続けることになる。

勾留期限が終わると、検察官により、起訴・不起訴処分が決定されるが、不起訴となれば刑事手続きは終了し被疑者は釈放。

言うまでもないが、起訴された場合には裁判を受けることになる

ついては、①身柄の拘束を解かれた状態で裁判に臨む場合と②裁判まで引き続き勾留され続ける場合の2通りがあるので、注意して欲しい。

その後、裁判の判決を持って被疑者の有罪・無罪が決定する。

無罪なら事件終了、有罪であれば、判決内容に従って刑事処分(懲役、禁固、罰金)を受けることを免れない。

逮捕後の流れ
・逮捕(最大72時間)→ ・勾留(原則10日間、最大20日間)→ ・起訴、不起訴の決定

終わりに

交通事故で逮捕される可能性があることをご理解いただけただろうか。

事故が起これば、被害者、加害者ともに大変な目に遭うわけだから、常に安全運転を心がけて欲しいと思う。

コメント