圧倒的なトルクによる余裕のある走りが高く評価されているデミオ・ディーゼルモデル。
そのディーゼルエンジンの力強さが注目される一方で、“ガソリンモデルはパワー不足”と言う声があるようなので、これについて検証してみたい。
テスト内容
今回は、様々なシチュエーションでデミオ・ガソリンモデルを走行させ、その動力性能を調査した。
その内容は以下の通り。
- 一般道走行
- 上り勾配
- 高速道路走行(時速80km/h)
- 高速道路走行(時速100km/h)
- フル乗車
- エアコン使用
一般道
普通に一般道を走行する上では、極端にパワー不足という印象は全くない。
確かに、大排気量エンジンを搭載した高級車やデミオ・ディーゼルモデルのような抜群のスタートダッシュを期待できるわけではない。
しかしながら、十分に軽快に加速する。
100メートルダッシュで競争するのならともかく、“普通に加速する”のであればこのガソリンモデルには何一つ不満はない。
さらに、一般道の最高速度は60km/hであるから、この1.3リッターガソリンエンジンで十分に対応できるだろう。
少なくとも、軽自動車と比較すれば明らかに余裕があることは間違いない。
登り勾配
軽自動車や、小排気量の自動車で最もストレスを感じる場面、はやはり登り勾配だ。
年式の古い軽自動車などはかなり厳しいと言わざるを得ない。
このデミオ・ガソリンモデルの動力性能については、“登り勾配でも全く問題ない”と言うのが私の印象である。
このの1.3リッターガソリンエンジンは、排気量のわりに低速トルクがあるし、エンジンの数値位以上の力強さを感じる。
マツダのスタッフ曰く、ギア比の設定にもかなりこだわったようで、状況に合わせて最適なトルクが発生するようにチューニングしてあると言うことだ。
実際に、上り勾配でも普通に登っていく。
確かにディーゼルほどの余裕はないが、アクセルを踏み込めば力強く進む。
しかも、5速や6速と言った高いギアのまま登り切ってしまうこともあるから驚きだ。
急な勾配ではさすがにシフトダウンするが、聞こえてくるエンジンサウンドも気持ちのよいものである。
高速道路
時速80km/h
高速道路と言えども、時速80km/hで走行する上では全く不満はないが、エンジンが無理をしているようにも思えない。
もちろん、ディーゼルモデルと比べれば、余裕は少ないと言わざるを得ないが、楽に流している印象すら受ける。
時速80km/hで走行中のエンジン回転数は、1700回転ほど。
時速100km/h
この速度になってもエンジンがうるさく唸ると言うようなことはない。
エンジン音は十分静かだ。
ただし、回転数は2,000回転を超えてしまう。
もちろん、そこからさらにアクセルを踏み込めばもっと速度が出るだろうが、エンジンがそれなりに仕事をすることになるだろう。
日本の道路事情では100km/h以上の速度を出すことはできないのでこれで十分なのかもしれないが、“余裕をもって巡行する”と言う感覚ではない。
エンジンに余裕があり、ゆったりと巡行することができると、ドライバーの疲労の感じ方もかなり軽減されるのだが、この点についてはさすがにそれほどの効果は期待できない。
高速道路を時速100km/hで走行するに当たり、このデミオ・ガソリンモデルに弱点があるとすれば、おそらくこの点だろう。
とは言え、これまでのコンパクトカーと比べれば、明らかに疲れにくいことも事実だ。
フル乗車
これに関しては、結構影響がある。
フル乗車はおろか、助手席に1人乗っただけで、明らかに車が重くなると感じる。
コンパクトカーにフル乗車する場合は4人乗車であることが多いので、今回もその条件でテストしてみたが、1人で運転している時と比べ、明らかに”重い”と感じた。
運転者のみの場合と比べ、やはりエンジンが余計に仕事をすることになり、回転数もわずかながらに上昇する。
とは言え、よほど飛ばしたりする必要がなければ大きな不満を感じることはないと思う。
しかしながら、この状態でかなり急な登り坂を登る場合や高速道路で追い越しをかけるとなると、エンジンに頑張ってもらう必要がある。
一般道走行であれば問題ないが、4人乗車で高速道路を時速100km/hで走行するとなれば、”目一杯”と感じる人もいるだろう。
このようなシチュエーションでの運転が多い人は、より排気量の大きいアクセラやアテンザを選択するか、デミオであればディーゼルモデルを選択することが望ましい。
そちらであれば、フル乗車で高速道路を時速100km/h走行しても全く問題ない。
エアコン使用時
コンパクトカーや軽自動車の場合、エアコンを稼働させることで大きくエンジン出力が損なわれ、高速道路や登り勾配では大変なストレスを感じることも少なくない。
このデミオ・ガソリンモデルに関しては、“ごくごくわずかに出力がダウンしている”と感じるくらいだ。
もちろん、注意深く観察していてはじめてそのように感じるのであり、意識しなければスイッチを切っている場合との違いがわからない人もいると思う。
特に心配はいらないだろう。
ただし、先ほど述べたように、“フル乗車”の場合はエアコンの影響もより強く感じてしまうことは否定できない。
“フル乗車で高速道路を走行中にエアコン稼働”となれば、さすがにそれ相応の影響を感じざるを得ないだろう。
もちろん、”全然走らない”と言うことは決してないが、常に余裕を持て余す走りを希望する人は、ディーゼルモデルを選択するか、アクセラ等の排気量の大きな車を選ぶべきだと思う。
終わりに
様々な条件のもと、デミオ・ガソリンモデルのパワー不足について考えてみたが、”普通に走る”上では特に問題はないという結論に至る。
圧倒的な動力性能を求め、いかなる状況でも余裕のある走りを追求するのであればともかく、日常領域での使用には大きな不満はないと言える。
しかしながら、さらによいものがあればそちらが欲しくなるのが我々人間である。
より素晴らしい動力性能を誇るディーゼルモデルについても是非とも検討していただきたい。
コメント
デミオDJ3Cに乗っていますが普段使いでは問題ありませんが高速合流nなどの加速に少し不満が残ることがあり少し残念です。
他社の同クラスエンジンでもスポーツタイプが存在するのにデミオにはスポーツタイプの計画はないのでしょうか?
普段使えてスポーツ走行もかのな