仮免許試験に合格すると次はいよいよ公道での運転練習に臨むことになるが、今回はその仮免許運転のルールについて投稿する。
一歩間違えば重大な交通違反に問われる可能性もあるだけに、免許の取得を目指される方には是非お読みいただきたいと思う。
仮免許運転とは
運転免許の取得を目指す人が路上で運転練習を行うことを仮免許運転と言う。
ご周知の通り、実際には教習所の生徒がその教習の一環として公道での練習をすることがほとんどであるため、“路上教習”と呼ばれることも多いようだ。
なお、詳しくは以下で述べるが、仮免許運転を行うにはいくつかの条件を満たす必要がある。
条件
仮免許運転を行うための条件は、①仮免許の保持、②適切な人物の同乗、③”仮免許練習中”と書かれたプレートの掲示の3つ。
各事項の詳細を以下で解説する。
仮免許の保持
当然のことながら、路上教習を行うには仮免許を保持していなければならない。
教習所又は自動車学校で行われる仮免許試験に合格することで仮免許を取得できるが、それらの機関を利用しない場合、あるいは非公認の教習所を利用している場合などは免許センターで試験を受けることも可能である。
ほとんどの人は教習所へ通うと思われるが、仮免許試験もスケジュールに組み込まれているので、1つ1つの教習時間を確実にこなしていけば自ずと合格が見えてくるはずだ。
同乗者
公道での運転練習を行うためには然るべき人物の同乗が必要であるが、その基準は下に列挙した通り。
- 練習する自動車を運転可能な第1種免許保持者で、運転経歴が通算3年以上の者
- 練習する自動車を運転可能な第2種免許保持者
- 公安委員会指定自動車教習所の教習指導員
教習所に通い路上教習を受けるのであれば自動的に指導員が同乗するため心配は要らないが、そうでない場合には適切な人物の協力を得る必要がある。
仮免許保持者が単独で公道を運転することは厳禁なので、くれぐれもご注意いただきたい。
プレートの掲示
仮免許運転を行う場合、仮免許練習中であることを示す標識(「仮免許練習中」)を掲示しなければならない。
標識の様式は法令によって定められているのだが、詳細は下の表にある通り。
寸法 | 縦17cm×横30cm | |
色 | 白地に黒文字 | |
文字の大きさ | 1行目 | 縦横4cm、線の太さ0.5cm |
2行目 | 縦8cm×横7cm、線の太さ0.8cm | |
装着場所 | 練習車両の前後の見やすい位置 | |
素材 | 耐久性のある素材 |
それにしても、プレートの寸法、色、文字の大きさ、装着場所などこれほどまで事細かに規定されているとは…。
教習所の路上教習を受ける場合にはプレートが用意されているので難しいことは何もないが、自力で作成するとなればかなり厄介なことになりそうだ。
聞くところによれば、免許センターや免許試験場の売店で500円前後で販売されているらしいので、そちらを購入する方が効率が良いと思う。
仮免許違反
然るべき同乗者の指導を受けずに仮免許運転を行った場合は“仮免許違反”に問われるが、その罰則はかなり厳しい。
安全上極めて問題がある行為だけに当然と言えば当然なのだろうが、反則金が適用されないこともあり、運転者は確実に刑事処分を受けることになる。
反則行為 | 行政処分 | 刑事処分 | ||||
点数 | 反則金 | 罰則 | ||||
大型 | 普通 | 2輪 | 原付 | |||
仮免許違反 | 12点 | 適用なし | 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 |
※ 反則金を納付することで刑事処分を免れることができるが、詳細はリンク先のページを参照願いたい。
これにより仮免許そのものが取り消されることはないが、加算される反則点数12点は本来であれば90日間の免許停止処分に相当するものであり、事は極めて重大だ。
この場合、仮にその後本免許試験に合格したとしても、免許停止期間に相当する90日間は運転免許の交付が留保される。
当該期間が終了すれば無事に免許の交付を受けることができるものの、”免許停止の前歴1回”として扱われるとのこと…。
このような事態を避けるためにも、ルールを厳守した上で公道練習に臨んで欲しいと思う。
注意点
仮免許運転中と言えども、違反や事故に対する責任を負うのは運転者に他ならない。
よって、仮免許違反に限らず、信号無視や指定場所一時不停止などの道路交通法違反を犯せば検挙の対象となり、然るべき処分が科せられることになる。
もちろん反則点数も加算されるが、その累積次第で免許の交付が保留されたり、場合によっては仮免許そのものが取り消されるケースもあるので十分に注意しよう。
終わりに
仮免許運転を行う場合に厳守すべきルールと注意点をご理解いただけただろうか。
公道練習を有意義なものにし、確実に本免許を取得するためにも、ルールを厳守して安全運転に努めていただきたいと思うところである。
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