この記事を書いている2017年1月14日、数年に1度と言われる最強寒波により車のバッテリートラブルが相次いで報告されている。
そこで今回は、自動車のバッテリーと寒さの関係について投稿しようと思う。
冬場のバッテリー上がり
冬場はバッテリーのトラブルが増加する。
少々データが古いが、2009年1月にJAFが出動した件数の36.1%がバッテリー上がりによるものであったとのこと。
次に多い出動理由であるキーの閉じ込めが12.1%であるから、バッテリートラブルが如何に多く発生しているのかをご理解いただけるはずだ。
この記事を作成している2017年1月14日、日本列島は数年に1度と言われる大寒波に見舞われているが、北海道等の極寒地域ではやはりバッテリーのトラブルの発生が相次いでいる。
寒さの影響
冬場にバッテリー上がりが多く発生する理由は、バッテリーが寒さに弱いことに尽きる。
気温が著しく低い環境では普段よりも放電量が増え、バッテリー本来の性能を発揮することができないのだ。
一般には、常温時のパフォーマンスを100とすれば、外気温0℃では約80%、−20℃では約50%までその性能が低下すると言われている。
さらにこれは新品のバッテリーについての話であり、劣化により性能が低下している個体においては、さらに深刻な事態を招く可能性も…。
よって、冬場に−10~20℃まで気温が低下するような極寒地域にお住まいの方は、冬が到来する前に、バッテリーの状態を確認しておくことが必須となる。
電力消費量の増加
寒さでバッテリーの性能が低下するばかりでなく、冬場には電力の消費量そのものが増えてしまう。
自動車ではエンジンを始動させる場合にもバッテリーの電力を消費するが、冬場は低温によりにエンジンオイルが硬くなることで普段よりも多くの電力を消費する。
冬場にエンジンがかかり難いと言われる理由もここにあるのだが、この季節は日照時間が短いため、ヘッドライトを点灯させる時間も増加。
暖房を使用するにも電力を必要とするし、外気温と車内の温度差により生じる窓ガラスの曇りを除去しようとエアコンを稼働させれば、さらに余計な電力を消費することに…。
このように、冬場には消費電力が増え、蓄えられた電力が枯渇しやすい上にバッテリーの性能自体が低下するため、バッテリー上がりのリスクが圧倒的に高まるのである。
対策
冬場のバッテリー上がり対策として、バッテリー保温材の使用を薦める声などもあるが、やはり普段からのメンテナンスが何よりも大事である。
冬の到来を前に、ディーラーの定期健診が予定されている場合はそこでしっかりとバッテリーの状態をチェックしてもらうことが肝要。
仮にバッテリーの劣化が指摘された場合には、その地域の寒さと相談しながら交換を検討するのがよいと言える。
ディーラーは車のメンテナンスのプロ集団であるから、自車のバッテリーが冬を乗り切ることができる状態かどうか、率直に相談してみるのもよいと思う。
仮にタイミングが悪く、冬の前に定期検診がない場合にも、車を持ち込み状態を診てもらいたいところだ。
言うまでもないが、極寒地域にお住まいの方は、車を購入する時に寒冷地仕様を選択することも必須である。
万が一の場合の対処法
万が一バッテリーが上がってしまった場合には、他の車のバッテリーから電力を分けてもらう”ジャンピングスタート”により復旧を試みるのが一般的である。
詳細は下のリンクを参照していただきたいが、確実に対処したいところだ。
また、最近では、携帯電話用の非常用バッテリーのような形状をした“ジャンプスターター”と言う機材を使用することで、簡単に復旧作業を行うこともできる。
こちらも積極的に利用を検討していただきたいと思う。
JAFへの連絡
ジャンピングスタートの方法がわからない場合や、試みてはみたものの上手く行かなかった時には、素直にJAFへ連絡することが望ましい。
彼らは自動車トラブルからの復旧のスペシャリスト集団なので、確実に問題を解決してくれるはずだ。
JAFは会員制であり、年会費4,000円(初回登録費用2,000円が必要)さえ支払えば、何回でも救援を受けることが可能である。
非会員の場合は出張毎に料金が発生するが、バッテリー上がりにかかる費用は下の表を参照していただきたい。
一般道 | 高速道 | ||
SA・PA内 | SA・PA以外 | ||
日中 | 12,280円 | 14,940円 | 21,110円 |
夜間 | 14,940円 | 16,990円 | 24,290円 |
終わりに
自動車のバッテリーと寒さの関係をご理解いただけただろうか。
特に寒冷地にお住まいの方には、いざという場合に備え、日頃からのチェックを怠らないよう注意しよう。
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