もらい事故の対応を解説! 正当な保険金額を獲得する交渉術とは?

もらい事故

皆さんの中にも、自身には全く非がないにも関わらず事故に遭い、大変な思いをされた経験をお持ちの方も少なくないのではないだろうか。

私も先日SAIを運転中にもらい事故に遭い、思い出すのも嫌なほどの苦労をしたのだが、今回はその体験を生かし、示談交渉術をはじめ保険会社から正当な補償金を得るための方法について投稿する。

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はじめに

自身には全く過失がなく100%相手の過失に起因する交通事故を“もらい事故”と言う。

もらい事故においては全面的に相手が悪く、全ての責任を相手が負うわけだから双方間の過失割合は当然のことながら100:0もしくは10:0である。

もらい事故の問題点 

自身の過失が0である以上発生した損害は全て相手の保険により補償されるため簡単に解決すると思われがちなもらい事故だが、実際に被害者になると大変な思いをすることになる。

と言うのも、確かに相手の保険で車両の損害が全て補償されその補償金を持って修理を受けることができるものの、相手方の保険会社から支払われるのはあくまでも車両の修理代のみであり、修復歴が残ることによる被害車両の価値の低下分(“評価損”)は度外視されるため、ぶつけられた側にしてみれば全く割りに合わないのだ。

事故車(修復歴あり)になると査定額はどれくらい下がるの!?
事故に遭い車が損傷すると、そのダメージの程度によっては修理しても“事故車”扱いとなり、車両価値が...

例えば、大型トラックにフロント右側を巻き込まれ修理費用105万の損傷を受けた私のSAIはとても修理してまで乗り続けたいと思える状態ではなかったが、相手の保険会社から受け取ることができるのはその修理代(105万円)のみなので、新たに車を買い替えるには大幅な出資を迫られることに…

かと言って修理して乗り続けるにしても本当に元の状態が復元されているのか疑問が残る上、今回のダメージが原因で後に不具合が出ないかと不安にかられ、さらに“修復歴あり”になることによる車両価値の低下を受け入れなければならないわけだから、それもまた最悪である。

また、今回は車両の損害を中心に話を進めるが、保険会社が相手への補償金の支払いを渋り、可能な限り自社の損失を抑えようとすることは言うまでもなく、人身事故の被害者が本来受け取るべき慰謝料を受け取れない事態が多発するなど、貰い事故の被害者の救済が十分に行われていない現状があることを確認しておきたい。

もらい事故の問題点
  • 補償されるのは車両の修理代のみ(全損扱いの場合は車両時価相当額)
  • なかなか全損扱いにはならない
  • 一般的に評価損は認められない
  • 被害車両を修理しても完全に元通りに復元できる保証はない
  • 車を買い替える場合には自腹で出資が必要になる

事故後の流れ

もらい事故に限らず、交通事故に遭った場合は負傷者の救護が最優先事項であり、次に警察への連絡を行う。

警察が到着次第現場検証が行われ物損事故と人身事故の判定がなされるが、自身が負傷したのであれば医師による診断書をもとに被害届を提出し、人身事故として当該事故の立件を求めることになる(当日の現場検証で物損事故として処理されてもその後1週間をめどに人身事故に変更可能)。

その後保険会社への連絡を行い(必ずしも事故当日でなくてもよい)、双方の保険会社のやりとりを経てお互いの過失割合が決定するのが一般的な流れだが、もらい事故の場合は過失割合が10:0なので原則として被害者が加入する保険会社の出番はなく、後は相手方の保険会社から補償金額の提示がなされるのを待つのみ

相手方の保険会社の鑑定を経て修理費用が確定するまで1週間~10日かかるので、その間に車両の損傷状況を確認して修理するのか買い替えるのかを検討するとよいが、相手の保険会社とは別に当該車両を購入したディーラーに修理費用の見積もりを出してもらうと時間に余裕を持って後のことを考えることができるので、ぜひオススメしたいと思う。

修理費用確定後に相手保険会社からの示談の提示に納得できれば事後処理は終了で、彼らより支払われる補償金を持って被害車両を修理するなり、その補償金をもとに車を買い替えることになる(提示される補償金額に納得できなければ当然示談は先延ばしとなる)。

今回はあくまでも物損事故だったため、示談金額を巡り少々話がこじれたとは言え事故日から2週間後には示談が成立したが、人身事故の場合は初めから被害者が納得できる金額の提示がなされることは極めて稀であるため、裁判に発展し示談までに長い年月を要するケースも珍しくないようだ。

示談交渉の注意点

もらい事故の場合、事故処理における最大の課題は“相手保険会社との戦い”なのだが、言うまでもなく彼らは営利を追求する企業なのであり、少しでも支払い額を削減すべくあらゆる手を駆使して来るため、被害者にとっては非常に厄介な存在なのだ。

ここからは、今回のもらい事故の経験を踏まえ、車を修理する場合と修理せず買い替える場合のベストな対処法を解説する。

車を修理する場合

車を修理して乗り続ける場合、修理せず車を買い替える場合よりも少ない労力で済むケースが多いものの、油断は禁物。

相手方の保険会社が意図的に実際の修理費用よりも少ない修理見積もりを提示してくる可能性があるからだ。

実際に修理を行うことになるディーラーや整備工場が算出した修理費用総額よりも20万円ほど少ない見積もりを独自に算出し、ディーラー等の費用の算出方法に文句をつけたり中古部品を使うよう圧力をかけるなどして自社の出費を減らすと言うのが保険会社が使う常套手段なのだが、弁護士曰く大手の損保会社には如何なる事案にも必ずこの手を使う悪徳な会社が2社存在するとのこと。

このような不当な圧力に修理工場やディーラーが屈してしまうと、必要な修理費用が支払われず、本来なされるべき品質の修理を受けられないと言う最悪の事態を招く可能性もあるので、万が一保険会社が理不尽な要求をしてきた場合には毅然として対応するよう、ディーラー等の修理業者に要請しておくことが大切である

ちなみに、私のSAIの場合はディーラーが算出した見積り額と相手方の保険会社の見積り額のいずれも105万であり、この点では損保会社の良心的対応に救われた格好と言えるが、タチの悪い保険会社を相手にした場合はこれが85万に減額する恐れもあるわけだから、これから事後処理に当たられる方には十分に注意していただきたい。

また、損傷が大きい場合、修理により車が元通りになったとしても“修復歴あり”の扱いを受けることでその車両の価値は大きく低下してしまう(修復歴なしと比較して40~50万)のだが、保険会社が評価の下落分(“評価損”)を補償することはなく、これを不服として裁判に訴えたとしても回収できるのは評価損の10~20パーセント程度であることを過去の判例が物語っているので、理不尽極まる話ではあるものの、この点は割り切るしかないのだと思う。

車を修理しない場合

車を修理せず、相手から受け取ることができる補償金(修理代、全損の場合は車両時価額)をもとに新たに車を購入する場合、保険会社が修理費用から消費税分を差し引くことが常習化している

“修理しないのであれば消費税は発生しないだろう”と言うのが彼らの理屈らしいが、全く理解できない理不尽極まりない話であり、聞けばどの保険会社も同じ手法を用いておりこの悪行が慣例化していると言うのだから尚更腹立たしいのだが…。

被害者が文句を言っても“決まりですから”と消費税の支払いを拒否するのが彼らの常套手段であり、被害者にとって絶望的な話にも思えるが、実はこれには法的根拠などなく、弁護士曰く全く筋が通らない話であるとのことなので、示談交渉時には絶対に彼らの主張を受け入れないことが大切だ

ちなみに私の場合、例によって消費税分の支払いを拒否してきた相手損保会社の言い分に全く根拠がないことを指摘しさらに弁護士にも合っている旨を伝えたところ、その翌日には消費税分を含めた当初の修理見積もり金105万を全額支払うので示談したいとの話があったため、そこで折り合うことができた。

まさに手のひら返しとはこのことであるが、車の買い替えともなれば消費税や自動車取得税を負担する必要があり、さらに冬タイヤも新調しなければならないなど被害者の負担が大きいことは間違いのない事実なので、その分の補償も忘れずに要求しよう。

もちろん、これらに対する補償が行われる確率がかなり低いことを承知の上でこちらの主張を余すことなく伝え納得できなければ示談しないと言う姿勢を示すことがポイントなのだが、いつまでも示談できない状況は保険会社の業務上芳しくないことであり、向こうが譲歩してこちらの要求を受け入れる可能性もあるので、毅然として交渉に臨みたいところである。

また、以上の様な相手保険会社に正当な補償金を支払わせる努力と並行して行うべき重要事項が事故車の処分であるが、詳細は後述する“事故車の売却”を参照されたい。

弁護士への相談

女性弁護士

相手保険会社から正当な額の補償金を受け取るにあたり、弁護士への相談がこの上なく大きな効力を発揮することは言うまでもない。

保険会社の社員は自社の出費を1円でも抑えるように徹底した社内教育を受けており、こちらが素人であることをいいことに理不尽な主張を突きつけてくるため、おかしいと思うことがあっても大抵はそのまま押し切られてしまうのだが、被害者の後ろに弁護士の存在があるとなれば話はガラッと変わる。

今回相手損保会社が修理費用に対する消費税分の支払いを拒否してきた時も、納得できないので弁護士に相談すると伝えたところその翌日には損保会社の担当者より“先生のご意見を聞かせて欲しい”との連絡があるなど弁護士の意向をかなり気にしていた様子だったし、その弁護士が消費税分を支払わない正当な理由がないとの見解を示していることを伝えた直後に保険会社が譲歩の意思を示したことは前述の通りだ。

この例からも弁護士の存在の大きさを知ることができるが、特に人身事故においては初めから本来被害者が受け取るべき補償金(慰謝料)が支払われるケースは皆無なので、やはり弁護士への相談は是非とも行いたいところである。

最近は無料相談を実施している弁護士事務所も多いためそちらを利用するのも1つの手だし、自身が加入する任意保険に弁護士特約が付帯する場合は一定額(私の場合は300万円まで)の弁護士費用が保証されるので、積極的にご検討いただきたいと思う。

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事故車の売却

車を修理せず買い替える場合、相手から補償される修理代金相当額の他、事故車を売却することで新車購入費用に充てることができる。

特に車両の損傷が大きい場合、事故車を売って金にするなど全くイメージできない方も多いと思うが、意外にも事故車にもしっかりと価値が残っており、かなりの額で買い取ってもらえるケースもあるので、相手保険会社から補償金の提示がなされるまでの間、複数の業者に見積もりを出してもらうとよい。

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例えば私のSAIの場合、元通りに修復できるとはとても思えないひどい状態だったが最終的に100万円で買い取ってもらい、保険会社から支払われる補償金105万円と合わせて205万円の資金を確保することができた。

改めて考えても非常に有難い話だったと思うが、事故車買取業者を利用せずディーラーや整備工場に廃車手続きを依頼するのは自ら大金を捨てることに他ならない(その事故車を転売することで彼らの利益になるだけ)ので、絶対に行わないようにしよう。

終わりに

今回はもらい事故に遭った場合に被害者が取るべき正しい対処法をご紹介したが、被害に遭った人間が泣き寝入りをすると言う最悪の事態を避けるためにも、保険会社を相手に毅然として対応することが何よりも大事であることを再度確認しておきたい。

同時に、実際にもらい事故に遭われた方には後々後悔することがないよう最大限の努力をし、納得できる示談条件を勝ち取っていただきたいと切に願うところである。

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